『レヴェナント:蘇えりし者』
2015年、米。レオナルド・ディカプリオ主演。公式サイトの紹介文。
1823年、毛皮ハンターの一団はアメリカ西部の未開拓地を進んでいた。隊長のヘンリーを先頭に、ガイド役のヒュー・グラスとその息子のホーク、そしてグラスに対して敵意を抱いているフィッツジェラルドたち一行だったが、ある時、先住民に襲撃され多くの犠牲者を出す事態に。生き残ったグラスたちは危険な川を避け、船を捨てて陸路で砦に戻ろうとするが、グラスは巨大な熊に襲われて瀕死の重傷を負ってしまう。
隊長のヘンリーは余命わずかに見えるグラスを残して行くことを決断。息子のホーク、金に釣られて居残ることにしたフィッツジェラルド達にグラスの最期を看取るよう命じるが……。(引用終わり)
157分の長尺にもかかわらず、ストーリーは極めて単純である。息子ホークを殺害し、瀕死の重傷を負った自分を見捨てたフィッツジェラルドに対する、グラスの執念の復讐劇である。
極寒の山中で、あるいは冷たい川で、何とか食糧を確保し、枯れ草を燃やして暖を取りながら、グラスは次第にケガを克服して、とある砦まで辿り着く。その間のサバイバル術も大変なものだが、最後のフィッツジェラルドとの対決場面での木の枝を利用した偽装工作など、生き抜くためには体力だけでなく、知恵が必要なのだということを思い知らされる。
ただ、本作で最も素晴らしいのは、何と言ってもその美しい映像ではないかと思われる。朝夕の僅かな時間帯の柔らかい自然光の下で撮影されたという映像は、もはやこの世のものとは思えないほどだ。イニャリトゥ監督、ディカプリオに加えて、撮影のルベツキがアカデミー賞を獲得したのは頷ける。
もちろん、手付かずの大自然の中でロケを敢行したことが、迫力のある映像を生んでいる。エンドロールによれば、カナダのアルバータ州で撮影された箇所があるそうで、そう言えば、前に行ったジャスパーに似た風景が登場していた。冬場は氷点下20度、30度などザラという場所である。大変な労作であることは間違いない。
4月12日 ジョグ10キロ
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