『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』
2002年、米。スティーブン・スピルバーグ監督。レオナルド・ディカプリオ、トム・ハンクス他。allcinema の紹介文。
高校生のフランク・W・アバグネイルは尊敬する父が母と離婚すると聞き、ショックで衝動的に家を飛び出してしまう。そして、生活のため偽造小切手の詐欺を始めるようになる。最初はなかなかうまくいかなかったが、大手航空会社のパイロットに成りすますと誰もがもののみごとに騙された。これに味をしめたフランクは小切手の偽造を繰り返し巨額の資金を手に入れるのだった。一方、巨額小切手偽造詐欺事件を捜査していたFBI捜査官カール・ハンラティは、徐々に犯人に迫っていくのだったが…。(引用終わり)
タイトルは日本で言う「鬼さんこちら」に当たる言葉だそうだ。子供の遊びとまではいかないにしても、希代の天才詐欺師とFBI捜査官との駆け引きが、さほど深刻にならず軽妙洒脱に描かれていて、一級の娯楽作品に仕上がっている。さすがはスピルバーグである。
パンナムやTWAといった今はもうない航空会社、馬鹿でかいアメ車がひしめく街の風景など、60年代当時を見事に再現した映像を観るだけでも楽しい。どのカットもよく考えられているが、父親役クリストファー・ウォーケンのアップを半逆光で撮り、彫りの深い表情に親としての情感が窺える映像は特に印象的だった。
以下、結末に関連する感想を…
3月5、7日 ジョグ10キロ
ところで、アバグネイルは実在の人物で、小切手偽造などの知識を活かして、現在ではセキュリティ専門のコンサルタントとして活躍しているそうだ。池波正太郎の『鬼平犯科帳』でも盗賊を改心させて手下につけた話があったし、最近でもハッカーを情報セキュリティの専門家として活用する試みがあると聞く。昔も今も、「餅は餅屋」というわけだ。
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