『ショコラ』
2000年、米。ジュリエット・ビノシュ、ジョニー・デップ他。MovieWalker の紹介文。
フランスの小さな村。レノ伯爵(アルフレッド・モリーナ)の猛威で因習に凝り固まったこの村に、ある日、不思議な女ヴィアンヌ(ジュリエット・ビノシュ)と娘アヌーク(ヴィクトワール・ティヴィソル)が越してきてチョコレート店を開く。次々と村の掟を吹き飛ばす二人の美しい新参者に、訝しげな視線を注ぐ人々。しかし、チョコレートのおいしさに魅了された村人たちは、心を開き、それまで秘めていた情熱を目覚めさせていく。そして、夫の暴力を恐れ店に逃げ込んだジョゼフィーヌ(レナ・オリン)がヴィアンヌ母娘の生活に加わってまもなく、河辺にジプシーの一団が停泊する。ヴィアンヌは、そのリーダーであるルー(ジョニー・デップ)という美しい男性に心を奪われ、彼を店に招き入れる。だがよそ者であるジプシーたちを快く思わない村人たちの、ヴィアンヌに対する風当たりは強くなった。やがて老女アルマンド(ジュディ・デンチ)の誕生日パーティー中、ルーの船は放火され、ジプシーの一行は村を出ていく。そして疲れて眠ったまま息を引き取ったアルマンドの葬式が続く中、ヴィアンヌは荷造りをして、次の土地に移るべく、嫌がる娘を引っ張って出ていこうとするのだった。(引用終わり)
主人公の母と娘が村にやってきたのは、四旬節の断食期間という最悪のタイミングだった。日曜のミサにも出ず、平気でチョコレート店を開いた彼女は完全に村の異端者である。さらに、ジプシー船団のリーダーとも仲良くなるに及んで、村全体が彼らを排斥しようと動き出す。
それでも、ジョセフィーヌやアルマンドなど、「わけあり」の女性たちとの交流が生まれ、ヴィアンヌが作る不思議な美味しさのチョコレートに.惹かれる村人が次第に増えていく。その禁断の甘さが、伝統に囚われていた村人の心を開いていくのである。
ついにはレノ伯爵までもがその虜になってしまうが、その姿を目撃した教会の若い神父が、以前は伯爵に手直しされていた説教の内容を自分で考え、自らの言葉で村人に語りかけるシーンが印象的である。
人間の価値とは、何を禁じるかでは決まらない。何を否定し、拒み、排除するかでもありません。むしろ何を受け入れるかで決まるのでは? 何を創造し、誰を歓迎するかで…
最近その言動が毎日ニュースになっているあの方に聞かせてやりたい。翻って、いじめ問題をはじめ、様々な場面で排除の論理が強まり、世間の同調圧力が高まっている我が国とて、このテーマは決して他人事ではないだろう。
それはともかく、映像、音声ともに大変洗練されていて、『青の愛』のビノシュは相変わらず美しいし、店のチョコレートはどれも本当に美味しそうた。バレンタインデーにはぴったりの映画だ。
2月12、14日 ジョグ10キロ
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