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2016/10/18

清水港線廃線探訪

昨日、東海道街道走りから帰宅。詳細は改めて書くとして、その前に清水港線の廃線跡を走った(といっても自転車でだが)ので、まずはその報告から。顛末はこうである。

今回の東海道は興津宿が起点だが、現在は古い旅館が1軒あるのみで、前回は由比側に1キロほど行った温泉施設に泊まった。今回は興津から電車で1駅の清水駅前のホテルに投宿することにした。折角だから前日に世界文化遺産の三保の松原を見物しておこうという寸法である。

ちなみに、以前ボストンマラソンや神戸マラソンに参加した際、都心のホテルが満室かとても高額で泊まれず、電車で何駅かの郊外にホテルを取ったことがある。「ボストン・神戸方式」と呼ばれる(自分だけだが・笑)この方法を今回も採用したわけである。

清水駅前から三保の松原まで片道8キロ強なので、自分の足で走って走れないことはないが、次の2日間で合計80キロの行程を考えると無理は禁物だ。幸い泊まったホテルにレンタサイクルがあるので、自転車で行ってみようとネットで調べてみると、お誂え向きに国県道と並行してサイクリングロードが走っているではないか。

その地図を眺めていて、「これは廃線跡かも」と直感が働いた。果たして、清水-三保間8.3キロを結ぶ旧国鉄清水港線が昭和59年まで走っていた跡と判明した。街道走りの前日に計画した三保の松原観光で、廃線探訪まで出来るとは、一石三鳥の嬉しさだ。

清水に到着して早々にホテルで自転車を借りて出発。商店街を抜けて清水駅南方の狭い踏切を渡ると、東海道線本線から分岐した線路2本を発見したが、旧清水港線のものかどうかよく分からない。付近には清水港という貨物駅があったようだが、現在は公共施設などになっていて痕跡をとどめない。

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南に少し行くと、ご覧のような自転車道、遊歩道がスタートしていて、エスパルスドリームプラザという商業施設まで約1キロの区間は、ひとまず快適なサイクリングが楽しめる。

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大型商業施設の海側に巨大な構築物を発見。テルファークレーンといって、木材を船から貨車に直接積み込めるもので、従前のベルトコンベアーだと1日かかる作業が僅か48分と、とても効率が上がったそうである。平成12年に国の登録有形文化財に登録されている。

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この先は自転車道は途切れているが、工場や倉庫が建ち並ぶ中に廃線跡が今も残っている。雑草の生えた廃線跡で、近くの工場の従業員が休憩していた。こんな場所を自転車で通るなんで、どこの物好きだろうと思われたに違いない。

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巴川を渡る鉄橋の橋台が残っていた。さらに道路を横断する線路のようなものが見える。狭軌の軌間より広いので線路そのものではないが、鉄道施設の一部だったことは間違いない。この右手に巴川口駅があったが、現在は浄化センターになっていて立入り不可である。

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さらに進んで工場地帯を抜け、国道150号と合流する地点で再び自転車道が始まった。以前は写真にも写っている鈴与という会社の協力で、左側の空き地辺りに当時の電車1両が展示されていたようだが、もう既に撤去されていた。

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海岸沿いに回り込んで三保の半島側に入り、しばらく進むと折戸駅跡がある。現在は公園として整備されている。

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更に半島の先に向かって自転車を漕ぐ。自転車に乗った高校生や、下校途中の小学生を多く見かけた。車が通らないので格好の通学路になっているようだ。小学生の女の子は、姿格好が「ちびまる子ちゃん」そっくりだ。そう、清水は原作者さくらももこの出身地なのだ。

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終点、三保駅跡に到着。ホームがそのまま残り、なぜか野良猫が何匹もたむろしていた。

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ディーゼル機関車DB152とタンク車1両が静態保存されている。

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いささか主客転倒になったが(笑)、この後、本来の目的である三保の松原を見物した。御穂神社に来臨する神様が通るという「神の道」。自転車は降りて歩くのが決まりだ。

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羽衣伝説で名高い「羽衣の松」。

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名勝三保の松原。何とか富士山のシルエットを拝むことが出来て、今回の旅は幸先の良いスタートとなった。

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10月15日 LSD44キロ
10月16日 LSD41キロ
10月18日 ジョグ10キロ

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コメント

あらま、10日前にお会いした時にはこんなお話は出てなかったですねえ。(^^;
富士山も見えてほんとラッキーな前日ですね。(^^)
こちらは土曜日に亀岡街道へ行っておりました。あいかわらず地図読みができず、でした。(~~)

投稿: くー | 2016/10/19 19:31

くーさん
先日は久しぶりにお会いできて良かったです。
清水港線のことは実は出発前日に偶然発見しました。
当日の天候といい、ラッキーとしか言えないですね。

投稿: まこてぃん | 2016/10/19 21:42

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