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2016/10/22

東海道を走る その10(府中~藤枝)

安倍川を渡り、手越(てごし)、佐渡(さわたり)と由緒ありげな地名が続く。やがて県道が急に狭くなるところが丸子宿の入り口、江戸方見附である。

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のどかな宿場町を予想していたが、狭い県道を対向してくる車が数珠繋ぎになっていて、ドアミラーをよけながら慎重に走る。車との接触はもうゴメンだ。やがて慶長元年創業、自然薯のとろろ汁が名物の丁子屋が見えてきた。

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広重はこの店で休憩する弥次さん喜多さんらしき二人連れを描いている。実は「膝栗毛」での彼らは、茶屋の夫婦の喧嘩のせいで食べ損ねているのだが。

Mariko

ちょうど昼時だったので、とろろ汁定食「丸子」を頂くことにした。お代は1,440円。珍しく麦飯を茶碗に3杯も食べてしまった。店内はほぼ満席、駐車場も何箇所かあって、洗練されたウェブサイトまで開設している。おそらく旧東海道で一番はやっている店に違いない。

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この後、丸子川に沿って次第に山中に入っていく。いよいよ宇津ノ谷峠越えである。峠の手前の宇津ノ谷集落は往時の雰囲気を残す。

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宇津ノ谷峠は天正17年、秀吉が小田原攻めの際に大軍を通すため開削したものだが、こんなに急で狭い山道を兵や馬が行軍したとは信じられない。この先は箱根越えもあるし、小田原に着いた頃には戦どころではなかっただろう。たぶん、重い鎧兜や刀は宅配便にして、小田原営業所留めで事前に送っていたのだろう。(笑)

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峠を降りると、それ以前の蔦の細道との分岐を経て、国道1号に合流する。その付近から次の岡部宿方向を眺めたところ。

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広重の「岡部」は宇津ノ谷峠から岡部宿を望んでいるが、場所はよく分からない。

Okabe

やがて岡部宿に到着。大旅籠柏屋(かしばや)が当時の佇まいを残し、歴史資料館となっている。

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岡部宿を出て、国道1号を斜めに横切る辺りには松並木が残り、旧街道の風情が残る。

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この先に「従是西田中領」という表示があり、田中城へ通じる御成道との分岐点があった。城はもうないが、同心円状の堀の跡が今も地図に残っている。その先の水守というところで旧街道の一部が通行止めになり、雑草が生い茂っていた。しかし、少し先には付近の旧街道の位置を説明した案内板があり、それならちゃんと整備して残すべきだろう。

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藤枝宿に入ると、お寺の看板にまさ.かのDAI語が…。うぃっしゅ!

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広重は人馬の継立てを行なう問屋場の様子を描く。

Fujieda

その付近は現在、交番になっている。

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交番の向かいに慶長年間創業の菓子商紅家(べにや)がある。折角だからとここにも入り、名物の長寿柿を頂いた。食べてばっかりだ(苦笑)。1個292円。干し柿の中に白餡を詰めてある。徳川家康に献上していたそうで、「家康公にあやかり元気に長生きしますよう」名付けたそうだ。大阪人の自分としては、狸親父にあやかろうなど露ほども思わないが、できるだけ長く元気に走り続けたいという願いをこめて頂いた。

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勝草橋を渡り、西南方向にひたすら進む。国道1号を斜めに横切り、県道と合流する辺りを瀬戸といい、古東海道との追分がある。その昔、この付近は池や湿地が多かったため、それを避けて南に回り込むルートを通っていたそうだ。写真で奥へ通じているのが古東海道である。

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この付近には洪水に備えるために千貫堤が築かれ、今もその一部が残っている。また、染飯(そめいい)といって、クチナシの実で黄色く染めた強飯(こわいい)をすりつぶして干したものを供する茶屋があったそうである。千貫堤・瀬戸染飯伝承館という資料館があったが、ちょうど閉館時間で入場は出来なかったが、係りの女性がせめてパンフレットをと、取りに戻ってくれた。

この先のJR六合駅で1日目の行程を終え、電車で1駅の藤枝まで戻った。夕食は駅前の喜久屋に予約しておいた染飯弁当である。700円。さすがにすりつぶしたり干したりはしていない普通の握り飯だったが、当時の旅人の気分を少しは味わうことが出来たし、クチナシの実には疲労回復の効果があるらしい。

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10月22日 ジョグ10キロ

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コメント

グルメな走り旅ですねえ。happy01
夕食にお弁当を予約とは、用意周到というのはこういうことですかね???
DKGにはびっくり。(^^;

投稿: くー | 2016/10/23 11:38

くーさん
今回はなぜか江戸時代から続く由緒ある店が多く、
珍しく食べてばかりの走り旅になっています。
染飯弁当は受注生産なので予約が必要なのです。

大慶寺の門前で大笑いしてしまいました。
日蓮さんも天上で苦笑いしているかも。

投稿: まこてぃん | 2016/10/23 18:13

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