『疫病神』
建設コンサルタント・二宮啓之が、産業廃棄物処理場をめぐるトラブルに巻き込まれた。依頼人の失踪。たび重なる妨害。事件を追う中で見えてきたのは、数十億もの利権に群がる金の亡者たちだ。なりゆきでコンビを組むことになったのは、桑原保彦。だが、二宮の〈相棒〉は、一筋縄でいく男ではなかった――。関西を舞台に、欲望と暴力が蠢く世界を描く、圧倒的長編エンターテインメント!(引用終わり)
『破門』から遡ってシリーズ第1作も読んでみたら、期待に違わぬ面白さだった。『破門』では小清水の逃避行にやや引っ張りすぎの感があったが、本作では間延びするところは全くなく、まさにノンストップのノワール・エンターテインメントが展開する。2作ともカギとなる人物が失踪し、それを複数の暴力団筋が必死で追うという展開で、これは作者お得意のパターンなのかもしれない。
ただ、多くの登場人物が複雑に関わってくるうえに、ほとんどが暴力団関係者と来ている。『破門』のときと同様、自分で相関図を書いて読み進めていたら、終盤になって二宮が頭を整理するという設定で「相関図」が登場した(295頁)。主人公ですら絵を描かないと呑みこめないほど複雑なのである。(笑)
9月19、21日 ジョグ10キロ
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