『暮しの手帖』の記憶
NHKの連続テレビ小説『とと姉ちゃん』に登場する『あなたの暮し』のモチーフとなったのは、『暮しの手帖』という実在の雑誌である。私が中学生の頃だったと思うが、母が購読していて、時々読ませてもらっていた。広告を一切掲載せず、「商品テスト」では大手メーカーの商品でも情け容赦なく欠点を指摘する。その一貫した編集方針には、子供心にも感銘を受けたものである。
それ以外では、確か料亭吉兆が監修した料理の記事があったのと、故黒田恭一氏がお勧めのLPを紹介する連載企画があったのを記憶している。後者はある号で、クリュイタンス指揮ベルリンフィルのベートーヴェン交響曲第7番を取り上げていて、「心が落ち込んだときなどに聴くと元気になる」という趣旨のことが書いてあった。これを読んで早速セラフィムの廉価盤を買い求め、何度も聴いたものだ。
もうひとつだけ覚えているのは、生活の知恵集みたいなコーナーで、バス停でひとりバスを待っていて、自分が乗るのではないバスが来た場合、手を左右に振るなどして「乗らない」という意思表示をしましょう、というのがあった。バスが無駄に停まることを防ぐわけだ。これは素晴らしい知恵で、以後そういう場合は必ず実践することにしている。
8月26、28日 ジョグ10キロ
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