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2016/08/31

『破門』

Hamon_2黒川博行著。この作家は初めて読んだ。第151回直木賞受賞。版元公式サイトの紹介文。

映画製作への出資金を持ち逃げされたヤクザの桑原と建設コンサルタントの二宮。失踪した詐欺師を追い、邪魔なゴロツキふたりを病院送りにした桑原だったが、なんと相手は本家筋の構成員だった。組同士の込みあいに発展した修羅場で、ついに桑原も進退窮まり、生き残りを賭けた大勝負に出るが――。疫病神コンビVS詐欺師VS本家筋。予想を裏切る展開の連続で悪党たちがシノギを削る、超弩級のノンストップ・ノワール。(引用終わり)

桑原&二宮の「疫病神コンビ」第5弾だそうだが、単独で読んでも面白かった。登場人物は全て大阪弁、出てくる地名も主に京阪神で、まるで掛け合い漫才のようなノリとテンポ感を持ったハードボイルドというのは、おそらく他に類を見ないだろう。

詐欺師小清水の度重なる逃亡はやや引っ張りすぎの感はあるものの、結果としてマカオまで含めたさまざまな場所で話が展開していくので、最後まで飽きさせない。ヤクザ関係者の面々は言うまでもないが、府警四課の刑事中川、島之内の開業医内藤など、脇役陣もまた一筋縄ではいかないクセモノたちだ。

ところで、なぜシリーズ5作目の本書をいきなり手に取ったのかというと、つまりはこういうことである。(笑)

8月30日 ジョグ10キロ
月間走行 150キロ

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2016/08/28

『暮しの手帖』の記憶

NHKの連続テレビ小説『とと姉ちゃん』に登場する『あなたの暮し』のモチーフとなったのは、『暮しの手帖』という実在の雑誌である。私が中学生の頃だったと思うが、母が購読していて、時々読ませてもらっていた。広告を一切掲載せず、「商品テスト」では大手メーカーの商品でも情け容赦なく欠点を指摘する。その一貫した編集方針には、子供心にも感銘を受けたものである。

それ以外では、確か料亭吉兆が監修した料理の記事があったのと、故黒田恭一氏がお勧めのLPを紹介する連載企画があったのを記憶している。後者はある号で、クリュイタンス指揮ベルリンフィルのベートーヴェン交響曲第7番を取り上げていて、「心が落ち込んだときなどに聴くと元気になる」という趣旨のことが書いてあった。これを読んで早速セラフィムの廉価盤を買い求め、何度も聴いたものだ。

もうひとつだけ覚えているのは、生活の知恵集みたいなコーナーで、バス停でひとりバスを待っていて、自分が乗るのではないバスが来た場合、手を左右に振るなどして「乗らない」という意思表示をしましょう、というのがあった。バスが無駄に停まることを防ぐわけだ。これは素晴らしい知恵で、以後そういう場合は必ず実践することにしている。

8月26、28日 ジョグ10キロ

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2016/08/25

『レベッカ』

Rebecca_21940年米。ヒッチコック監督。ローレンス・オリヴィエ、ジョーン・フォンテーン他。アマゾンの紹介文は若干ネタバレ。(苦笑)

旅行先のモンテカルロで偶然出会った、両親がいないヒロインと1年前に妻を亡くした英国紳士のマキシムは恋に落ち、即座に結婚、彼の豪邸があるマンダレーへ帰る。住む世界が違う同士の結婚に戸惑いながらもマキシムの愛を信じてやってきたヒロインだったが、その豪邸は海で溺死したマキシムの前妻レベッカの見えない影が全てを支配していた。屋敷の西側にある今は使われていないレベッカの部屋、屋敷の側の入り江にある謎の小屋、部屋のあちこちにあるRのイニシャルが刻まれた品々…。マンダレーの人々が口をそろえて讃える、美しく謎めいたレベッカの呪縛にとらわれ、不安と嫉妬にかられるヒロイン。そして前妻の召使であり、今は屋敷を取り仕切っているダンバース夫人が、次第にヒロインを心理的に追いつめていく。自分はレベッカの身代わりなのではと夫までもを疑い始めた矢先、入り江に小船が引き上げられる。そこにはなんと、マキシムが死体を確認し、今は墓の下にあるはずのレベッカの死体があった!(引用終わり)

ヒッチコックの渡米第1作で、アカデミー賞2部門を受賞した。タイトルのレベッカは既に死んでいて一度も登場せず、またヒロインの名前は最後まで分からないという、特異な設定がなされている。

絶世の美人にして奔放な性格だったレベッカの影に怯えるのはヒロインばかりではない。マキシム自身、彼女の死に苛まれる日々を過ごしていた。それがレベッカの企みであったことが最後に判明し、ようやく二人はレベッカの影から脱することが出来る。

名優ローレンス・オリヴィエの陰影深い演技もさることながら、ヒロインを演じたジョーン・フォンテーンの可憐さと、ダンバース夫人役のジュディス・アンダーソンの冷酷さとの対比が見事だった。

8月24日 ジョグ10キロ

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2016/08/22

真空保存庫

お茶の保存用に購入した。これまで開封後は桜材の茶筒に入れていたが、1週間もすると風味がだいぶ落ちる。どんな食材でもそうだが、これは空気中の酸素が原因なので、空気を抜いて真空に近い状態で保存しようというわけだ。

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昔、アメリカのテレビ通販でこれの簡易版の商品を宣伝していて、思わず衝動買いしてしまったことがある。密封容器の蓋に穴を明け、それを特殊なシールで塞ぎ、そこからポンプで空気を抜くというものだ。分からないか。(苦笑)

しかし、やはりシールから僅かに空気が漏れて真空状態が長持ちしない上、確か中国製だったポンプがちゃっちくてすぐに使えなくなってしまった。今回買ったのは新潟の加藤産業という会社の製品で、堂々の「メイド・イン・ジャパン」である。

使い始めて2週間ほど経過したが、茶葉そのものの香りや、抽出したお茶の風味が落ちず、大変気に入っている。容器もしっかりしていて、ポンプで空気を抜く作業もそれほど手間がかからない。今のところ、お茶のほかにミックスナッツの保存にも使っているが、いろいろ用途がありそうだ。

8月20、22日 ジョグ10キロ

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2016/08/19

あっぱれ!

ついに我が町内から金メダリストが誕生した。バドミントンの髙橋礼華選手。今大会が始まるまで全く知らなかったけれど(笑)、うちの町内の小学校出身で、当時からジュニアで活躍していたそうだ。中学からは仙台の学校に移り、そこで松友選手とペアを組んだとか。

パブリックビューイングが行なわれた市内のホールには、深夜にもかかわらず多くの市民が詰め掛けたようだ。入口にはご覧のような垂れ幕が下がっていた。「金メダル」とも何とも書いてないけれど。(苦笑)

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何はともあれ、あっぱれ! そして、おめでとう!

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2016/08/18

『アントマン』

Antman2015年米。ペイトン・リード監督。ポール・ラッド他。アマゾンの紹介文。

やる気も能力もあるのに、なぜか空回りばかりのスコットは、仕事も家庭も失い絶体絶命…。そんな彼にオファーされた最後にして唯一の“仕事”は、身長わずか1.5cmになれる驚異の“スーツ”を着用し、神出鬼没のヒーロー“アントマン”となることだった。スーツを発明した天才科学者ハンク・ピム博士と博士の娘ホープの指導の下、猛特訓が始まる。最愛の娘のために挑戦を決意した彼は、本当のヒーローとなり、人生のセカンド・チャンスをつかむことができるのか? そして、アントマンに託された決死のミッションとは…?(引用終わり)

「死ぬまでに…」などと言わず、たまには肩の凝らない映画も観てみようと思ったのだが、なかなかどうして。「蟻男」が活躍する単なるSFコメディかと思いきや、原子物理学から大国の軍備競争、家族愛にラブロマンスと、結構いろんな材料が織り込まれていて、大人から子供まで楽しめる娯楽作品だった。ピンポンのラケット、きかんしゃトーマス、大きくなった蟻など、笑える小ネタも満載だ。

それにしてもこの主人公、「電気工学の修士号を持ってる」というだけあって、最新のセキュリティシステムも易々と突破できる能力を持っている。それならもっと真っ当な職業に生かしてはどうかと思うのだが、それが難しい現代社会の実相まで映しているとすれば、結構深い映画なのかもしれない。

8月16、18日 ジョグ10キロ

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2016/08/15

ショスタコーヴィチ弦楽四重奏曲全集

Fitzwilliam_3交響曲全曲に続いて、彼の創作のもうひとつの重要な柱である弦楽四重奏曲全曲を聴いた。演奏はフィッツウィリアム弦楽四重奏団。作曲者が死去した1975年から77年にかけて録音されたもので、これもCD6枚で3千円というお値段に惹かれた。(笑)

彼の交響曲第1番が作品10、最後の第15番が作品141であるのに対し、弦楽四重奏曲は第1番が作品49、最後の第15番が作品144であり、後者は作曲者の中期から後期に当たる時期に作曲されているのが特徴である。

CDのランナーノーツを書いた Alan George 氏によれば、このうち第11番までの11曲が中期、第12番以降の4曲が後期と、明確に2つのグループに分かれるとしている。しかし、第11番から第14番の4曲が、彼のほとんどの弦楽四重奏曲を初演したベートーヴェン弦楽四重奏団の各奏者に献呈されていることから、第11番以降の5曲とそれより前の楽曲で分けるのが自然という気がする。

そうした分析はともかく、交響曲の記事でも書いたような彼の音楽の特徴が、弦楽器4本というミニマルな編成によって、より明瞭に聴き取れるように感じられた。管弦楽法にも優れていた彼の交響曲に聴く多様な音色の変化を取り除いた、彼の音楽の言わば骨格というか本質的部分がそこにあるように思える。

交響曲同様、当時のソ連社会の状況を反映した悲惨、苦難、葛藤と、それに対する人間の戦いを描くかのような緊張感に溢れる一方、晩年には「人の生と死」といった哲学的領域にまで踏み込むなど、全15曲はそれぞれ限りない多様性を見せている。

ただし、晩年の作品で12音技法への接近が見られるものの、弦楽四重奏という伝統的様式の範囲をほとんど逸脱することなく書かれているのは驚嘆に値する。主題の提示があって、それが様々に展開された後、主題を再現して終わるというソナタ形式の基本の上に、フーガやパッサカリア、レチタティーヴォといった古典的技法まで含んでいる。先の Alan George 氏はこう書いている。

ベートーヴェンやバルトークとは違って、彼(ショスタコーヴィチ)が弦楽四重奏という媒体について、その既に存在する限界を超えた用法を試みなかったことに留意すべきである。実際、彼はそれを次第に精製し昇華させつつも、それをあるがままに受け入れたのである。この点で、彼が弦楽四重奏という技法を発展させたとはほとんど考えられない。しかし、彼がその表現領域を拡大させたか否かは、それとは全く別問題なのである。(まこてぃん訳)

8月14日 ジョグ10キロ

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2016/08/12

『プール』

Pool_32009年。大森美香監督。小林聡美、加瀬亮、伽奈、もたいまさこ他。公式サイトの紹介文。

4年前、祖母と娘さよのもとを離れ、チェンマイの郊外にあるゲストハウスで働き始めた母・京子(小林聡美)。大学の卒業を目前に控えた今、さよ(伽奈)はそんな母を訪ねて、一人、チェンマイ国際空港に降り立つ。
迎えに現れたのは母ではなく、母の仕事を手伝う市尾(加瀬亮)だった。小さなプールがあるゲストハウスには、ビー(シッテイチャイ・コンピラ)という名前のタイ人の子供と、不思議な空気感を持つオーナーの菊子(もたいまさこ)がいた。さよは久々に会った母が、初めて会う人たちと楽しそうに暮らしている姿をどうしても素直に受け入れることができず、戸惑いを感じていた。
行方不明の母に会いたいと思っているビー。母親探しを手伝うがなかなかうまくいかず、優しさが裏目に出てしまう市尾。余命宣告を受けている菊子。ひとりひとりの中にある現実、そしてそれを自然に受け入れつつ、相手を思いやりながら生きている人たち。彼らとの出会いにより、だんだんとさよは、心が開いていくのを感じ始める。(以下略、引用終わり)

内容といい、出ている俳優陣といい、以前観た『めがね』と同じようなテイストの作品である。南の国の鄙びたリゾート。ゆったりと流れる時間。鳥のさえずり以外何も聞こえない静けさ。その雰囲気に浸っていると、夏の暑さを忘れさせてくれ、もうストーリーなどどうでもいいようにさえ思われてくる。

実際、さよがタイに来て、1週間ほど滞在して帰っていくというだけのお話で、大きな事件もなければ、母と娘の対立も表立ってはない。さよの心境の微妙な変化がただ淡々と、間接的に描かれているだけで、それで何かを訴えようとしているとも思えない。

強いて言えば、タイに着いたばかりのさよが、車中で市尾と菊子に「私どう見えますか?」と尋ねるシーンがある。一人で寂しそうとか、気張ってる風に見えないか、さよは気にしていたのだが、二人はそんなことはないと答える。それがなぜか「どうしてそんなことが気になるのか」と聞こえるのだ。

しかし、それもサラっと流されるだけで、価値観の押しつけなど全くない。観ている人の心が、たとえひと時でも穏やかになれば、それで制作意図は果たせたのではないかとすら思えてくる。

8月10、12日 ジョグ10キロ

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2016/08/09

『C級さらりーまん講座・改1』

Class_c_3山科けいすけ著。アマゾンの紹介文。

相も変わらず、ダメでグズでショーもないC級なやつらがところ狭しと大わらわ!! 仕事はできるが中身は変態・二階堂。その二階堂の部下で虚弱&小心者の秋田。毛むくじゃらで女好きの兎田。心臓が止まるほどのコワモテ、鬼頭などなど、お馴染みのキャラクターはもちろん、さらに本巻では一癖も二癖もあるドギツイ新キャラも登場!!
サラリーマンだけにとどまらず、日頃のうっぷんを晴らしたい皆さんにおススメの一冊!! 読んで笑っちゃってください!! 人生楽しくなければ意味ないじゃーん!!(引用終わり)

前作『新C級さらりーまん講座2』から実に約2年半ぶり、待望の新刊である。以前も書いたが、週刊雑誌連載分をそのまま単行本にしたりせず、著者が気に入った作品を厳選しているのだろう。

この業界は詳しくないのでよく分からないが、こういう職人気質の作者は珍しいのかもしれない。前回の「新」シリーズは2回だけで終わり、今回は「改1」として判型を大きくしたのも、彼なりのこだわりがあるのだろう。

そんな穿鑿はさておき、内容は相変わらずのクオリティを保っている。紹介文にあるいつもの面子に加えて、老いてもお盛んな「某大企業会長」が社長をおちょくる「会長社長」シリーズは笑える。もう「さらりーまん」ではなくなった自分でも、いや、だからこそというべきか、十分楽しめた1冊だった。

8月8日 ジョグ10キロ

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2016/08/06

『シザーハンズ』

Scissorhands1990年米。20世紀フォックスのオープニングロゴが雪景色になっている。ティム・バートン監督。ジョニー・デップ他。アマゾンの紹介文。

丘の上の広い屋敷に年老いた発明家が住んでいた。彼はたった一人で人造人間エドワードを作っていたが、完成間近に急死。エドワードはハサミの手のまま取り残されてしまった。化粧品のセールスで屋敷を訪れたペグは気の毒に思い彼を家に連れて帰る。エドワードはそこでペグの娘キムに恋してしまうが……。(引用終わり)

以前は雪など降らなかった町に毎年雪が降るようになった。「どうして雪は降るの?}と孫娘に尋ねられた祖母が、「それは長いお話なんだよ」とその理由を語って聞かせる。おとぎ話のような形で作られているけれども、内容的には大人も楽しめるSFラブロマンスである。

一見グロテスクな外見の主人公が、出会った人々との間に心温まる交流を芽生えさせるが、最後には悲しい別れが待っているというストーリーは、もしかすると『E.T.』(1982)からヒントを得たのかもしれない。

1960年代と思しきアメリカの田舎町の生活が、やや風刺的に描かれているのが印象的だった。住人たちの家や車は悪趣味なくらい色とりどりであるのに、同じ時間に同じように車で出勤していく暮らしは、どうしようもなく似通っている。主婦たちの思考や行動パターンも呆れるほど同じである。そういう俗世間と対置させることによって、人造人間でありながら純真な心を持つエドワードの存在が際立つという計算なのだろう。

8月4、6日 ジョグ10キロ

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2016/08/03

『テルマ&ルイーズ』

Thelmalouise1991年米。リドリー・スコット監督。アマゾンの紹介文。

ドライブ旅行へ出かけた平凡な主婦のテルマ(ジーナ・デイビス)とダイナーの中年ウェイトレス・ルイーズ(スーザン・サランドン)。だが、途中のバーでレイプされそうになったテルマを救うため、ルイーズは男を射殺してしまう! 二人の旅は一変して悪夢のような展開に──! 若い男を道連れにしたり、逃亡資金を工面する日々を過ごすが、警察の追跡は次第に激しくなる……!(引用終わり)

ラブロマンスやヒューマンドラマものが多い「ロード・ムービー」の形を取りながら、本作のストーリー展開は特異である。平凡な日常に飽きて、2日間だけ羽を伸ばそうと出かけた二人のドライブ旅行は、ひょんなことから命がけの逃避行に転じるのである。

状況はどんどん悪くなる一方。食料品店で強盗を働くわ、職質警官をパトカーのトランクに閉じ込めるわ、しつこく付きまとうタンクローリー車を爆破してしまうわ。無数のパトカーとヘリに追い詰められた二人の結末は悲劇的だが、どこか清々しささえ漂う。直前の二人の澄み切ったような表情がとてもいい。

それに対して、テルマの夫ダリル、ルイーズの恋人ジミー、テルマを誘惑しようとするハーラン、金を持ち逃げするゴロツキのJ.D.(ブラッド・ピット!)など、男どもは揃いも揃ってどうしようもないヤツばかり。唯一まともなのが、彼女たちを追う刑事ハル(ハーヴェイ・カイテル)だけというから皮肉が効いている。

ただ、これが女性解放の映画だとかいうのは、若干的を外しているような気がする。主人公が中年女性二人という意外さはあるものの、社会の下層に位置する主人公の冒険遍歴譚である「ピカレスク」の王道を行く作品なのではないか。

8月2日 ジョグ10キロ

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