『高校入試』
2012年10月期、フジテレビ系で放映。長澤まさみ他。湊かなえが初めてオリジナル脚本を執筆。アマゾンの紹介文。
県立橘第一高等学校(略称:一高)は例年の2倍に上る東京大学合格者を10名輩出している、地元ではその名を知らない者はいない有名進学校。この地域では東京大学に進学するよりも一高に合格することがより難易度の高い目標であり、卒業後にたとえ三流大学に進学しても一流大学へ進学した者より学歴が上に見られる傾向がある。
入試前日、過去のトラブルを教訓に教師たちが準備に追われる中、「入試をぶっつぶす!」と書かれた紙が各教室の黒板に張られていたり、坂本の携帯電話が盗まれ、2年B組の黒板の上に隠されていたりと不穏な出来事が相次ぐ。同じ頃、インターネット上の掲示板では、ハンドルネーム「名無しの権兵衛」と名乗る人物が宣戦布告をしていた。(引用終わり)
公式サイトに「全ての登場人物に犯人の可能性があり、最後まで事件の真相は謎に包まれている」とあるように、最終話まで事件の真相が伏せられ、思わせぶりなカメラアングルのせいもあって、校長も含め全ての登場人物に犯人の可能性があるように思える。
その中で入試当日を迎え、犯人の予告どおり次々と事件が起こる。観る者の緊張感は高まるばかりである。文字通りのサスペンスドラマとして大変よく出来ていると思うが、ミステリーとしては結末がややリアリティに欠ける。犯行の動機も弱い。
ただ、ほぼ一高校内のみを舞台に、前日から当日にかけて、入学試験の顛末を描いているということで、古典演劇の「三一致の法則」を踏まえたオーソドックスな脚本である。登場人物が自分のバックグラウンドを長々と語る場面もあり、まるで舞台演劇を観ているような錯覚を覚えた。
6月14、15日 ジョグ10キロ
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