『Nのために』
湊かなえ原作のドラマ。同じ原作者の『夜行観覧車』同様、TBS系金曜22時の「金曜ドラマ」枠で2014年10月期に放送された。公式サイトの紹介文。
高層マンションに住むセレブ夫妻、野口貴弘(徳井義実)・奈央子夫妻(小西真奈美)が殺害された。その現場に居合わせたのは“ある計画”を立てた大学生の希美(榮倉奈々)、成瀬(窪田正孝)、安藤(賀来賢人)、西崎(小出恵介)。その場で西崎が逮捕され、自供から有罪が確定し、懲役10年が言い渡された。
それから10年後、この事件の判決に疑いを抱く元警察官・高野(三浦友和)は、事件の真相を追い始める。この事件は15年前の夏、瀬戸内海に浮かぶ島で、希美と成瀬が起こした“ある事件”からすべてが始まっていると高野は確信していた。
「彼らはあの時、罪を犯した。それぞれのNのために」 (引用終わり)
複数の人間が絡み、過去と現在を行きつ戻りつする構成は、いかにもこの原作者らしい。一方で、ある日突然父が愛人を家に連れて来て、妻子が家から追い出されたり、資産家に接近しようとした矢先、それが就職内定先の課長であることが判明したりといった、少し不自然な設定は、彼女の他の作品でも散見されるところだ。
しかしながら、登場人物のその時々の心情が丁寧に描かれているため、それほど違和感なく観られた。4人の俳優たちの落ち着いた演技にも好感が持てた。瀬戸内ロケによる美しい映像も特筆すべきだろう。ただ、ミステリーの謎解きとしては呆気ないというか、もう少し周到な伏線とひとヒネリが欲しかった気がする。
5月26日 LSD20キロ
5月28日 ジョグ10キロ
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント