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2016/05/13

ショスタコーヴィチ交響曲全集

Shostakovich_3だいぶ以前に、自分の音楽理解がようやく20世紀に入ったというを書いた。その後、さしたる進展はないけれど、最近ショスタコーヴィチの交響曲全集、CD11枚組を衝動買いした。ハイティンク指揮、コンセルトヘボウ管およびロイヤルフィル。1枚500円しないという値段に惹かれた。(笑)

何も知らずにただ聴いたのでは理解しづらい複雑な構成に加え、作曲者を取りまく時代背景や社会情勢と切り離せない作品ばかりで、音楽之友社刊『作曲家別名曲解説ライブラリー』を片手に、第1番から第15番まで順に聴いていった。

これまでよく聴いた第5番以外で特に印象に残ったのは、第1、第9、第10、第15番といった辺りだが、第4、第8番もまた聴いてみたいと思った。半音階を多用し調性と無調のはざまを行き来する独特のメロディライン、執拗に反復される同じリズム、多彩な打楽器の活用など、全ての曲に共通するいくつかの特徴は、一種の「ショスタコ節」と言えるかもしれない。

音友の解説本で諸井誠氏が書いているように、全体としてマーラーから強い影響を受けたことは明らかである。ただ、その活動の場がウィーンから遠く離れたソヴィエトだったことは、運命の皮肉というほかない。終始ソ連政府の統制を受け、公開の場で自作が討議されるなどという、芸術家にとってはタマラン状況にも耐えつつ、しぶとく生き抜いたショスタコはただの天才作曲家ではない。

さて、交響曲と並んで、彼の創作の大きな柱である弦楽四重奏曲も、近いうちに聴いてみようと思っている。きっと、そのうち耳に「タコ」が出来るに違いない。(笑)

5月12日 ジョグ10キロ

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