『拍手のルール』
副題「秘伝クラシック鑑賞術」。「もぎぎ」こと茂木大輔著。アマゾンの紹介文。
クラシックの敷居は高い? ほかのお客さんは音楽がすごく解っているようだが? 正しい拍手のしかた、指揮者によって何が違う? 楽譜が読めないと音楽は解らないのか? など…。知りたかった疑問にお答えまします。(引用終わり)
ご存じ、N響首席オーボエ奏者にして、「のだめカンタービレ」の音楽監修を担当するなど、クラシック音楽の普及にも力を入れる茂木氏によるクラシック入門書である。ユーモアを交えた、軽妙で肩の凝らない文章ながら、書かれていることはかなり本格的である。
年季だけは入ったクラシックファンである自分としては今更の感もあるが、「フライング拍手」について書かれた部分に興味を抱いた。是正される兆しもないではないが、本当に何とかならないものか。それは演奏者側にとっても同じのようだ。
演奏者にとっても、1時間をこえるような大作交響曲を準備し、集中し、必死で演奏し、ついに最後の美しい瞬間に到達したその達成感、満足感は、この数人、一人の行為でみごとに破壊されてしまう。(112頁)
では、それをやめさせる手立てはないものか。もぎぎ先生が提唱するのは、次のような対策である。演奏会鑑賞免許制度、喝采安全信号機、指揮者の聴衆管理、場内アナウンス。実現性や効果はともかくとして、演奏家にそんなことまで考えさせるほどの迷惑行為ということだ。
ところで、フライング拍手に要注意の楽曲リストも添えられていて、その中で、ドヴォルザークの交響曲第8番ト長調の最後の1小節が、GP(ゲネラルパウゼ=全楽器休止)となっているとの指摘があった。知らなかったなあ。当時もフライング拍手する聴衆がいて、ドヴォルザークは業を煮やしていたとか。まさかね。
5月17日 LSD40キロ
5月19日 ジョグ10キロ
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コメント
フライングブラヴォー&拍手は近年ひどすぎです。「第九」も確か最後の小節は全休符だったように思えます。やめさせる対策としては、私の場合、スマホで犯人を撮って「2chに貼るぞ!」というのがいいかも..と思っています。
投稿: frun 高橋 | 2016/05/22 21:57
frun 高橋さん
うちにある各スコアの最後ばかり見てみました。(^-^)
第九の最後は全楽器フェルマータ付きの二分休符ですね。
同じベートーヴェンの英雄や田園、それに高橋さんがよく
指摘される「悲愴」も、最後はフェルマータ付き休符です。
一方、シューベルト「ザ・グレート」はドヴォ8同様、
最後の1小節がGPで終わっています。
対策は難しいですが、聴衆の大部分に浸透すれば
自ずとなくなっていくのではと思います。
日本人お得意の同調圧力ってヤツですね。
投稿: まこてぃん | 2016/05/23 12:51