ささやかな愉しみ
まいにち日本茶をちゃんと淹れて飲む、
ということを始めたという話を書いた。
それでうちにあったお茶がなくなったあと、
たぶんぼくの人生で初めて自分で買ったお茶が
じつはあまり良い品ではなかったらしく、
温度をどう変えても苦味ばかりで甘みが出ない。
最近それをようやく使い切ったので、近所のスーパーで
今度はもうちょっとマシなお茶を買おうと思ったのだ。
まあまあ良さそうなのが3種類あって、それぞれ
100g600円、700円、900円という値段だ。
こういうとき、ぼくのまわりにもいるけれど、
とにかくいちばん高いのを買う、という人がいる。
サイフの許す限り高いのを買っておけば間違いない。
それはそのとおりかもしれない。
でもぼくは今回、いちばん安い600円のを買った。
それで満足できればもっともお得なのだし、
そうでなければ次は700円、その次は900円と買えば、
たぶん少しずつ味が良くなるという愉しみが残っている。
とてもささやかで、みみっちい愉しみではあるけれど、
そういうものを積み重ねることが出来るかどうかで、
案外と人生ってかなり違ってくるのではないだろうか。
お金に余裕がある人へのやっかみで言うのではないけれど、
最初から900円を買う人は、ちょっとだけ大げさに言えば、
600円や700円との違いを知らずに人生を終えてしまうのだろう。
今回も、「不善亭日乗」に来てくれてありがとうございます。
ほぼ3日ごとに更新しています。
以上は、糸井重里氏の「ほぼ日刊イトイ新聞」に掲載の
「今日のダーリン」の文体を真似て書いた戯作である。
彼のような「人生を愉しむ達人」とまではいかなくとも、
せめて「まあまあ面白い人生だった」と思って死にたい。
今日から東海道走り旅に出かけます。次の更新まで暫しお待ちを。
4月16日 ジョグ10キロ
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コメント
今日のダーリンを毎日読んでいる自分ですから、少し笑ってしまいました。(^^;
一番お安いのでも私なんて手が出ないな~なんて?
東海道、楽しみですね。
お気をつけて!!(o^-^o)
投稿: くー | 2016/04/18 19:48
くーさん
用語法のクセはともかく、
内容までそれらしく見せるのは
なかなかむずかしいですね。
お茶って本当にピンキリですね。
今回泊まっているホテルで、
久々にティーバッグのお茶を
飲んで、つくづくそう思います。
投稿: まこてぃん | 2016/04/20 06:22