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2016/03/31

あれは3年前…

我が家から駅に向かう途中にある幼稚園の桜である。退職が間近になってからは、毎日「あの桜が咲く頃には…」と思いながら眺めていた。ちあきなおみの唄ではないが、人生の大きな決断をしてからちょうど3年。もう4度目の桜が咲いている。

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震災の影響で経営不振に陥っていた会社は、いまだに回復の兆しが見えず、社員の待遇も厳しい状況が続いていると聞く。それを予想して退職した訳では決してないけれど、まあ同じ辞めるならいい時期に決断したものと思う。

退職後の生活はほぼ想定していたとおりで、毎日好きなことをして飽きることはないし、規則正しい生活のおかげで体調は頗る良い。マラソンからの引退は予想以上に早かったが、街道ラン等のためにも月間200キロ程度は走っている。

将来の不安が全くないわけではないが、まずは今年も咲いた桜を観てほっとしているところだ。

3月28日    LSD20キロ
3月30、31日 ジョグ10キロ
月間走行    200キロ

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2016/03/27

『白ゆき姫殺人事件』

Snowwhiteこれも湊かなえ原作。2014年、製作委員会、松竹配給。井上真央、綾野剛他。アマゾンの紹介文。

国定公園・しぐれ谷で誰もが認める美人OLが惨殺された。全身をめった刺しにされ、その後、火をつけられた不可解な殺人事件を巡り、一人の女に疑惑の目が集まる。彼女の名前は城野美姫(井上真央)。同期入社した被害者の三木典子(菜々緒)とは対照的に地味で特徴のないOLだ。
テレビ局でワイドショーを制作するディレクター・赤星雄治(綾野剛)は、彼女の行動に疑問を抱き、その足取りを追いかける。取材を通じてさまざまな噂を語り始める、美姫の同僚・同級生・家族・故郷の人々。
「城野さんは典子さんに付き合っていた人を取られた……押さえていたものが爆発したんだと思う、あの事件の夜」
「小学生の頃、よく呪いの儀式をやってたって。被害者の殺され方が呪いの儀式と同じでしょう?」
「彼女が犯人です、間違いありません! 」
テレビ報道は過熱し、ネットは炎上。噂が噂を呼び、口コミの恐怖は広がっていく。果たして城野美姫は残忍な魔女なのか?  それとも──。(引用終わり)

終盤で明かされる真犯人は意外だったが、この作品の主眼は『告白』同様、「犯人探し」そのものではなく、SNS等の普及で個人の感想が瞬く間に拡散し、それがマスコミ報道との相乗効果で世論をも左右してしまう現代社会のありようを、リアルに描き出したところにあるだろう。

最近の保育園の待機児童問題をめぐる動きは、問題の深刻さを為政者にいわば直訴した形となったが、ことが本作のような殺人事件の犯人追及となると、プライバシーや人権問題が絡み、大変深刻な結果を残しかねないことは明らかだ。

こういう時代だからこそ、他人の話を鵜呑みにせず、なるべく多くの情報を集めた中から信頼すべきものを取捨選択する努力が求められる。この映画の中でも、ある飲み会でのエピソードが、語る人ごとにどんどん違った風に描かれていて、背筋がぞっとする思いだった。

3月26日 ジョグ10キロ

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2016/03/24

『告白』

Kokuhaku_22010年、製作委員会。東宝配給。松たか子他。KINENOTE の紹介文。

とある中学校。終業式後のホームルームで、1年B組の担任・森口悠子(松たか子)は、37人の生徒を前に語り出す。私の娘が死にました。警察は事故死と判断しましたが、娘は事故で死んだのではありません。このクラスの生徒に殺されたのです……。一瞬、静寂に包まれる教室。事件に関わった関係者たちの告白によって真相が明らかになっていく中、森口は、罪を犯して反省しない犯人に対し想像を絶する方法で罰を与える……。(引用終わり)

湊かなえの原作ともども大ヒットした作品で、例によって大勢が読み、観るものは避けてきたが、もう借りる人も少なくなったDVDがズラリと並んで「おいでおいで」していたようなので(笑)ふと手に取ってみた。

よくある「犯人探し」ものではなく、冒頭30分までに犯人2人が明かされるが、このミステリーはそこから始まるのだ。娘の死については「刑事コロンボ」のような倒叙ものと言えるけれど、主人公の復讐劇がそれと絡みながら同時進行するところが巧みである。

テンポのよい展開と巧みなカット割、実に緻密な構成で無駄なシーンがほとんどない。伏線も見事に回収されている。血糊べったりの残酷なシーンはあるものの、一級のミステリー作品に仕上がっている。

3月22、24日 ジョグ10キロ

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2016/03/21

『マレフィセント』

Maleficent_32014年米。アンジェリーナ・ジョリー主演。allcinema の紹介文。

とある王国で、待望のロイヤル・ベビー、オーロラ姫が誕生し、盛大なお祝いのパーティが開かれる。招待客が見守る中、3人の妖精たちがオーロラ姫に幸運の魔法をかけていく。ところが3人目が魔法を授けようとしたその時、“魔女”と恐れられる邪悪な妖精マレフィセントが現われ、“16歳の誕生日の日没までに、姫は永遠の眠りに落ちるだろう。そして、それを解くことができるのは真実の愛のキスだけ”と恐ろしい呪いをかけてしまう。やがてオーロラ姫は、呪いを恐れた王によって3人の妖精に託され、森の奥で身分を隠して育てられる。それでも美しく成長し、幸せな少女時代を送るオーロラ姫。そんな彼女の姿を、マレフィセントは秘かに、しかもなぜか温かな眼差しで見守っていた。なぜ彼女はオーロラ姫にあのような恐ろしい呪いをかけたのか。その謎を解く鍵は、マレフィセント自身の封印された過去にあったのだが…。(引用終わり)

いい歳こいたおっさんが、どういう風の吹き回しかディズニー映画を観てみたのだが、なかなかどうして大人も楽しめる奥行きをもった作品だった。童話「眠れる森の美女」の別バージョンというのか、悪役を主役にした裏ストーリーというところが秀逸だ。

ほとんど笑わない中でも微妙な心境の変化を窺わせる主演アンジェリーナ・ジョリーの演技が素晴らしいし、オーロラ姫のエル・ファニングは本当に可憐だ。どこかで聞いた名前だと思ったら、『アイ・アム・サム』のダコタの妹だったのね。

3月18、20日 ジョグ10キロ

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2016/03/17

やれば出来るじゃない

去る13日にEテレ「クラシック音楽館」で放送された、スクロヴァチェフスキ指揮読売日本交響楽団のブルックナー交響曲第8番を視聴した。今年1月21日、東京芸術劇場で行なわれた特別演奏会である。演奏は大変立派なものだったが、今回書きたいのはそのことではない。

楽曲が終わったときの聴衆の反応である。以前にも書いたように、我が国のコンサートでよく見られる、残響が消えるまで待たずに飛び出す野蛮な「ブラボー」と拍手を苦々しく思っていたのだが、今回に限ってはそれがなく、指揮者がタクトを下ろすまでの数秒間、沈黙が保たれていた。やれば出来るじゃない。

思うに、あの「フライング・ブラボー」は、歌舞伎の「成駒屋!」といった掛け声と同じようなものなのかもしれない。曲が終わるや否や、間髪入れずに「ブラボー」と叫ぶのが、クラシックの「ツウ」だと勘違いしているのではないか。

楽団側もパンフレットに「拍手は指揮者がタクトを下ろしてからお願いします」などと注意書きを入れるようになったが、その成果がようやく現れてきたのかもしれない。ただ、今度はタクトを下ろした瞬間に、何人もの「ブラボー」が同時に飛び出す。「ツウ」の人たちが今か今かとタクトを必死で見つめているのが想像できて可笑しくなってしまう。本当は夢から醒めたみたいにパラパラと拍手が起こって、次第に大きな歓声に包まれるというのが良いのだが。

それでも、フライングされるよりはマシだ。日本人の中でも特に同調圧力が強いと思われる東京圏の人々の間に、この習慣が根付くのも案外あっという間かもしれない。

3月16日 LSD40キロ

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2016/03/14

『小さいおうち』

Chiisai_42013年、製作委員会、松竹配給。山田洋次監督。松たか子、黒木華ほか。アマゾンの紹介文。

昭和11年。田舎から出てきた純真な娘・タキは、東京郊外に建つ少しモダンな、赤い三角屋根の小さなお家で、女中として働きはじめた。そこには、若く美しい奥様・時子と旦那様・雅樹、そして、可愛いお坊ちゃまが、穏やかに暮らしていた。 しかしある日、一人の青年・板倉が現れ、奥様の心があやしく傾いていく。タキは、複雑な思いを胸に、その行方を見つめ続けるが―
それから60数年後の現代。晩年のタキが大学ノートに綴った自叙伝には、"小さいおうち"で過ごした日々の記憶が記されていた。残されたノートを読んだ親類の健史は、秘められ続けてきた思いもよらない真実にたどり着く。(引用終わり)

冒頭、ひっそり亡くなったタキ(倍賞千恵子)の葬儀シーンから始まり、彼女の回想の形で昭和10年代の物語が進行する。その時代のタキを演じた黒木華が、容貌といい所作といい、完全に役柄になりきっていて感心した。

また、当時の市井の人々が、日中戦争は早く終結して、アメリカと戦争することになるとは思っていなかったことなど、庶民目線での昭和史という意味でも興味深かった。そうした時代の大きな流れが、多くの人々の生活や人生を狂わせていった一例を、この映画は淡々と描いている。

3月12、14日 ジョグ10キロ

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2016/03/11

またFMチューナーを買った

前回は自室用にFMチューナーを買ったが、今度は居間で使っているHDDコンポ用にもう1台買うことになったのだ。もちろん、コンポにはFM/AMチューナーが内蔵されているのだが、以前からAMが受信出来なくなったのに続いて、最近ではFMにも雑音が混じるようになって往生していた。

本体を買い替えるという選択肢もあるのだが、最低でも2万円近くする。それならば、別途チューナーだけ買って、外部入力に繋げば良いのだ。その気になって、ハードオフの店を覗いたら、HDDコンポと同じぐらいの幅のオンキヨー製品(表記はオンキョーにあらず)が3240円で売られていた。

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無事設定を済ませて鳴らしてみたら、本体チューナーとは比べものにならないほどノイズの少ない音で十分満足している。ただ残念なのは、パネルは渋い銀色だけれどコンポと揃わなかったこと、タイマー演奏の設定は出来るものの同シリーズのアンプと一緒でないと動作しないことである。後者については、ずっと家に居る身なら都度電源を入れれば済む話ではあるのだが。(苦笑)

3月10日 ジョグ10キロ

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2016/03/09

身近にある道標 その3

道標ネタは久しぶりだ。近鉄飛鳥駅近辺に自転車で出かけた折に、2基の道標を発見した。車では何度も通っているが、これまで全く気がつかなかった。どちらも国道169号沿いに立っている。

一つ目は飛鳥駅北の三叉路に建つ。南東方向から見たところ。

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東面 左 つぼ坂かうや山 こんがうさん よしの山上 道
南面 右 おか寺はせいせ あすか社かく山 たふのミねあべ 道
と読める。また、写真には写っていないが、西面には「左 なら 京 大坂 久米寺たへま 法隆寺たつた 道」とあり、北面には「文久三癸亥三月吉日建之」の銘があるそうだが、こちらはコンクリート塀に接近していて肉眼では確認できない。

もうひとつは飛鳥川にかかる豊年橋の西詰にある。北東方向から見たところ。背景がちょっと殺風景だが悪しからず。

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北面 ほう祢ん橋
東面 こんかう山ミち
写真には写っていないが、西面には「寛政八年丙辰秋九月橋成」とある。

付近は下ツ道(中街道)の終点付近に当たり、多武峰、吉野、金剛山など各方面への交通の要衝であったようだ。

さて、来月は東海道の第2回、小田原―興津間を予定している。「天下の嶮」箱根に霊峰富士。ああ、楽しみ楽しみ。(笑)

3月8日 ジョグ10キロ

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2016/03/06

タブレットの更新でひと騒動

昨年春から使い始めた8インチタブレットのシステムを、Android 5.0 に対応してアップグレードするという連絡がメーカーからあり、指示に従って「システムの更新」を行なったところ不具合が生じた。

一部のサイトを閲覧しようとすると、“ERR PROXY  CONNECTION FAILED”というエラーが出てそれ以上進めない。特に、グーグル検索が使えないのは始末に負えない。また、ニフティのセキュリティソフトが「起動中」のまま、何時間経っても変わらない。そのせいか、電池の消耗も激しい。

多分、セキュリティソフトが邪魔になっているのだろうと思い、一旦アンインストールしようとしたが、「設定」→「アプリ」から当該ソフトを選択しても、「強制停止」「アンインストール」とも操作不能な状態になっている。

これはもうお手上げと、まずニフティに電話して尋ねたが、アンインストール出来なければ手の打ちようがなく、メーカーに電話してアプリを削除なり強制停止する方法を尋ねてくれとのこと。いやな予感を感じながらNECに電話すると、案の定、アプリの不具合はメーカーでも対応できないとのことで、もう初期化するしか手はないとのことだった。

「この道はいつか来た道」と思ったら、ウィンドウズ10のときと同じだった。ただ、パソコンほど面倒なことにはならないだろうと、思い切って初期化してみたが、その考えは甘かった。相変わらずプロキシ何とかというエラーが出て、必要なアプリを検索することすら出来ないのだ。

プロバイダーもメーカーもアテに出来ない以上、普通にネットで検索して、先人たちの知恵を借りるしかない。格闘すること2、3時間、ようやく解決策を見出した。今後また同じことが起きたときのために、自分自身の備忘録として書いておく。

原因はWLANのプロキシ設定が書き換えられていたこと。犯人はセキュリティ対策アプリで、ときおりそういう勝手な真似をするようだ。そう言えば、アップグレードする以前も時々そういうエラーが出ていて、一度再起動すると元に戻っていたが、今回はOSが変わった関係で元に戻らなかったようだ。セキュリティソフトが起動しなかったのも、多分それと関係があるのだろう。

直し方は比較的簡単で、「設定」→「無線とネットワーク」→「WLAN」→使用中のネットワークを長押し→「ネットワークを変更」→「詳細設定項目」→「プロキシ なし」に変更する。これで無事繋がるようになり、各種アプリを取り込んでようやく元の状態に戻すことが出来たが、丸1日これで潰れてしまった。ったく。

3月6日 ジョグ10キロ

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2016/03/04

コーヒーフレッシュをやめた

コーヒーはいつもミルク入りの砂糖なしで飲む。だいぶ以前、缶コーヒーにこの種の商品が少ないと書いたことがあるが、その後もあまり増えてはいないようだ。どこまでもマイナー志向の人間のようだ。(苦笑)

それはともかく、家でコーヒーを飲むとき、これまで「コーヒーフレッシュ」なるものを何の疑問もなく使ってきた。しかし、ふとしたきっかけで調べてみたら、どうやらとんでもないシロモノのようなのだ。「コーヒーフレッシュ」「正体」で検索してみれば分かるが、簡単に言えば「植物油に水を混ぜ、乳化剤で白く濁らせただけのもの」だそうだ。

実は、牛乳やクリームなどの乳製品は一滴も入っていないのだ。そればかりか、自然界には存在せず、人体に有害なトランス脂肪酸のかたまりであることが分かった。最近読んだ『GO WILD』の中でもその危険性が指摘されていた。

早速、冷蔵庫にあったコーヒーフレッシュは処分して、代わりにホンモノの生クリームを買い求めて使い始めたところだ。風味も良いし、何より原料が生乳のみというのは安心できる。これでまた少し寿命が延びた…かな?(笑)

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3月2、4日 ジョグ10キロ

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2016/03/01

もう一人の自分の目

山路徹。バラエティ番組はほとんど見ないのでよく知らないが、不倫報道があると呼ばれることが多いコメンテーターらしい。世の中には色んな人間がいるものだ。(苦笑)

それはともかく、朝日新聞のインタビューに答えた彼の発言が、何だか心に残っている。自身の不倫騒動の後、再びTVに出られるようになった経緯について述べた直後の発言だ。

(不倫のことを言われても)もう、しょうがないと思うしかない。耐えるんですよ、自分を殺して。世間には「キワモノ見たさ」がある。僕がいやがることをみんなは見たい。逆に、僕が伝えたいことなんて、誰も聞かない。それをわかってないと、自分が何かを伝えたと思っても、それは自己満足でしかない。世間にわかってもらうために、自分をもう一人の自分の目で見られるか、は大きいですよ。

もちろん、不倫がどうこうということではない。「もう一人の自分の目」というのが、単にマスコミへの対処方法という以上に、人間について、特に他者との関係について、かなり深い洞察を含んでいるのではないかと思うのだ。

自分自身、「もう一人の自分の目」を持てないことが多いと自覚する。それが自分という人間の未熟さの、核心部分に関わっているらしいことも、おぼろげながら分かる…ような気がする。まだまだだなあ。(溜息)

2月29日 LSD20キロ
月間走行 180キロ

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