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2016/02/24

『アメリカン・スナイパー』

Americansniper_22014年米。クリント・イーストウッド監督、ブラッドリー・クーパー、シエナ・ミラー。アマゾンの紹介文。

描かれるのは伝説のスナイパー、クリス・カイルの半生。2003年にイラク戦争が始まってから4回にわたり遠征。その常人離れした狙撃の精度は1.9km向こうの標的を確実に射抜くほどだったという。公式記録としては米軍史上最多の160人を射殺。味方からは「伝説の狙撃手」と英雄視される一方、イラクの反政府武装勢力からは「ラマディの悪魔」と怖れられ、その首には2万ドルの懸賞金がかけられた。しかしカイルの素顔は、命がけの壮絶な局面でも仲間を一心に守りたい、そして良き夫、良き父でありたいと願うひとりの男。戦争の狂気に取り憑かれつつ、故国で待つ家族をこよなく愛する主人公の光と影を生々しく掘り下げる。(引用終わり)

内容が内容だけに、米国内では保守派とリベラル派の間で賛否両論の大きな論争が巻き起こったそうだ。しかし、本作は好戦的でもなければ、反戦的でもなく、ましてやイラク戦争の是非を論じた作品ではないと思う。

それよりも、本土から遠く離れた戦争に巻き込まれた一人の人間のドラマとして観るべきだろう。伝説のスナイパーの内面に深く入り込み、極限状況における人間の理性と狂気、家族や国への愛などについて、終始冷徹な眼で描き切った一級のドキュメンタリー作品なのだ。

DVD特典のメイキング映像の中で、映画の製作途中でクリス・カイル本人が殺害される事件が起き、それを契機として作品の方向性が定まったというような話があった。とりわけ、本人の妻タヤと電話で何百時間もインタビューした成果が現れているのだろう。

2月23日 ジョグ10キロ

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