『市民ケーン』
1941年米。オーソン・ウェルズ脚本、監督、主演。アマゾンの紹介文。
暗く荒廃した壮大な屋敷で、“バラのつぼみ”という最後の言葉を残し、新聞王ケーンは死んだ。その後、ケーンの生涯をまとめたニュース映画が制作されるが、この内容に経営者ロールストンは不満を持つ。彼の命を受け、ニュース記者トムスンは、“バラのつぼみ”という最後の言葉の中に、ケーンの真実の人間性を解く鍵があると信じて、その意味を探ることに。そして、彼の生涯に関係があった人々を歴訪するのだが・・・。(引用終わり)
米国映画のオールタイムベストにも挙げられる不朽の名作で、「死ぬまでに一度は」と思って観てみたのだが、ストーリーそのものは退屈だった。巨万の富を築いた新聞王ケーンは、実は愛に飢えた寂しい男で、そのルーツが子供時代のある経験にあったことが、関係者への取材によって浮かび上がる。簡単に言えばそれだけのお話である。
ただ、その過程ではアメリカ流のサクセス・ストーリーがこれでもかと盛り込まれ、メディア、ビジネス、政治、アート、結婚と離婚など、人々の関心を惹くテーマが次から次へと登場する。いかにもアメリカ人が好みそうな内容であることは分かる。
映画の製作技法的にも極めて斬新かつ完成度が高いそうで、専門家の評価が高いのも分かる。しかし、文化的背景の異なる日本人、しかも映画を観るのは好きだが技法云々までは関心がない人間にとっては、そこまでの傑作なのかと疑問符がついてしまう。
ところで、『刑事コロンボ』の『攻撃命令』で、“rosebud”(バラのつぼみ)という言葉を聞くと相手に噛みつくよう訓練されたドーベルマンが登場していた。この映画を下敷きにしたものだと、今回初めて分かった。
2月14日 ジョグ10キロ
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