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2016/02/27

『GO WILD 野生の体を取り戻せ!』

Go_wild副題「科学が教えるトレイルラン、低炭水化物食、マインドフルネス」。ジョンJ.レイティ、リチャード・マニング著。版元の紹介文。

スマホやパソコンのOSがどんなにアップデートされようとも、あなたの体は5万年前から変わらない〈人類1.0〉のままだ。そもそも野生の体には、ガンも鬱も肥満も高血圧もない。人間の体と心が本来持つ治癒力を使い、現代生活の痛みやストレスから逃れて健康と幸せを手に入れるために、ライフスタイルを再び野生化させよう!
ロングセラー『脳を鍛えるには運動しかない!~最新科学でわかった脳細胞の増やし方』の著者による最新作。最近話題となっている低炭水化物食やトレイルラン、マインドフルネスなどを、人類の進化の観点から科学的かつ包括的にとらえた注目の一冊。(引用終わり)

ある人のブログで取り上げられていて興味を持ち、読んでみたら予想以上に面白かった。前に読んだ『炭水化物が人類を滅ぼす』と同様、約1万年前の農業革命が生み出した豊富な穀物、すなわち糖質が人間の体をむしばみ、文明病を引き起こしていることが、実例を交えて分かりやすく説かれている。穀物摂取が乳がん、卵巣がんを引き起こしているとの指摘は、まさに目から鱗が落ちる思いだ。

文明病を予防し健康な生活を送るためには、狩猟採集時代に近い食生活に戻ることが最も重要である。そこは夏井氏の本と同じなのだが、本書ではさらに進んで運動、睡眠、集団行動に至るまで、「野生に戻る」ことを提言している。巻末には、筆者2人に加えて日本語版編集者までもが、それを実践しているさまが紹介されていて、興味が尽きない。

副題にあるとおり、同じ走るなら大自然の中を駆け抜けるトレイルランの効用が大きい。

ランニングマシンやエアロバイクに乗り、イヤホンをして現実世界の音を遮断し、前に据えつけられたテレビ画面のぞっとするようなニュース映像を見ながら走ったりバイクをこいだりするのは、迷走神経の「爬虫類」領域に語りかけるようなものだ。(246頁)

は、爬虫類って…。トレッドミルでフルマラソンを完走したと豪語していたのはどこの誰? それも2度も!(笑)

2月25、27日 ジョグ10キロ

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2016/02/24

『アメリカン・スナイパー』

Americansniper_22014年米。クリント・イーストウッド監督、ブラッドリー・クーパー、シエナ・ミラー。アマゾンの紹介文。

描かれるのは伝説のスナイパー、クリス・カイルの半生。2003年にイラク戦争が始まってから4回にわたり遠征。その常人離れした狙撃の精度は1.9km向こうの標的を確実に射抜くほどだったという。公式記録としては米軍史上最多の160人を射殺。味方からは「伝説の狙撃手」と英雄視される一方、イラクの反政府武装勢力からは「ラマディの悪魔」と怖れられ、その首には2万ドルの懸賞金がかけられた。しかしカイルの素顔は、命がけの壮絶な局面でも仲間を一心に守りたい、そして良き夫、良き父でありたいと願うひとりの男。戦争の狂気に取り憑かれつつ、故国で待つ家族をこよなく愛する主人公の光と影を生々しく掘り下げる。(引用終わり)

内容が内容だけに、米国内では保守派とリベラル派の間で賛否両論の大きな論争が巻き起こったそうだ。しかし、本作は好戦的でもなければ、反戦的でもなく、ましてやイラク戦争の是非を論じた作品ではないと思う。

それよりも、本土から遠く離れた戦争に巻き込まれた一人の人間のドラマとして観るべきだろう。伝説のスナイパーの内面に深く入り込み、極限状況における人間の理性と狂気、家族や国への愛などについて、終始冷徹な眼で描き切った一級のドキュメンタリー作品なのだ。

DVD特典のメイキング映像の中で、映画の製作途中でクリス・カイル本人が殺害される事件が起き、それを契機として作品の方向性が定まったというような話があった。とりわけ、本人の妻タヤと電話で何百時間もインタビューした成果が現れているのだろう。

2月23日 ジョグ10キロ

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2016/02/21

『ゴーン・ガール』

Gonegirl_22014米。デヴィッド・フィンチャー監督。ベン・アフレック、ロザムンド・パイク他。公式サイトの紹介文。

結婚5周年の記念日。誰もが羨むような幸せな結婚生活を送っていたニックとエイミーの夫婦の日常が破綻する。エイミーが突然姿を消したのだ。リビングには争った跡があり、キッチンからは大量のエイミーの血痕が発見された。警察は他殺と失踪の両方の可能性を探るが、次第にアリバイが不自然な夫ニックへ疑いの目を向けていく。新妻失踪事件によってミズーリ州の田舎町に全米の注目が集まり、暴走するメディアによってカップルの隠された素性が暴かれ、やがて、事件は思いもよらない展開を見せていく。完璧な妻エイミーにいったい何が起きたのか――。(引用終わり)

妻はどこへ行ったのか? 失踪か殺人か? 状況が二転三転し、最後まで目が離せないサイコロジカル・サスペンスである。意外な結末は、考えようによっては最も恐ろしいとも言える。それが結婚というものの真実なのだとすれば。

警察から事情聴取を受けたニックが、妻エイミーの友人のことも、昼間の行動も、血液型さえも知らないことが露呈する場面で、思わず自分の胸に手を当てた。程度の差こそあれ、結婚している人すべてにとって、決して他人事ではない問題を突きつけていると言えよう。

2月21日 ジョグ10キロ

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2016/02/18

日本茶に目覚めた

基本的にコーヒー党で1日2杯欠かさず飲んでいるが、このところ日本茶の美味さに目覚めた。食後にお茶が欲しくなったときなど、これまではティーバッグでそれこそお茶を濁していたが、生憎切らしてしまい、それならと本式に茶葉と急須で淹れることにした。

最初はお湯が熱すぎたり、浸出時間が長かったりで、なかなかうまくいかなかったので、こういうものを買って(色はもちろんお茶に合わせた・笑)、きっちり温度と時間を測ってやると、我ながら上手に淹れられるようになった。80度、1分というのが今のところの結論だ。

Thermo_2

普通の煎茶だけれど、神経のみならず消化系統も活発にしてくれるように感じる。これも身体の自然な要求に従って正解なのだろう。

2月16日 ジョグ10キロ
2月18日 LSD40キロ

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2016/02/15

『市民ケーン』

Kane_21941年米。オーソン・ウェルズ脚本、監督、主演。アマゾンの紹介文。

暗く荒廃した壮大な屋敷で、“バラのつぼみ”という最後の言葉を残し、新聞王ケーンは死んだ。その後、ケーンの生涯をまとめたニュース映画が制作されるが、この内容に経営者ロールストンは不満を持つ。彼の命を受け、ニュース記者トムスンは、“バラのつぼみ”という最後の言葉の中に、ケーンの真実の人間性を解く鍵があると信じて、その意味を探ることに。そして、彼の生涯に関係があった人々を歴訪するのだが・・・。(引用終わり)

米国映画のオールタイムベストにも挙げられる不朽の名作で、「死ぬまでに一度は」と思って観てみたのだが、ストーリーそのものは退屈だった。巨万の富を築いた新聞王ケーンは、実は愛に飢えた寂しい男で、そのルーツが子供時代のある経験にあったことが、関係者への取材によって浮かび上がる。簡単に言えばそれだけのお話である。

ただ、その過程ではアメリカ流のサクセス・ストーリーがこれでもかと盛り込まれ、メディア、ビジネス、政治、アート、結婚と離婚など、人々の関心を惹くテーマが次から次へと登場する。いかにもアメリカ人が好みそうな内容であることは分かる。

映画の製作技法的にも極めて斬新かつ完成度が高いそうで、専門家の評価が高いのも分かる。しかし、文化的背景の異なる日本人、しかも映画を観るのは好きだが技法云々までは関心がない人間にとっては、そこまでの傑作なのかと疑問符がついてしまう。

ところで、『刑事コロンボ』の『攻撃命令』で、“rosebud”(バラのつぼみ)という言葉を聞くと相手に噛みつくよう訓練されたドーベルマンが登場していた。この映画を下敷きにしたものだと、今回初めて分かった。

2月14日 ジョグ10キロ

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2016/02/12

『黒い樹海』

Jukai_2松本清張作。講談社文庫版。カバーの紹介文。

仙台へ旅立った筈の姉が、意外や浜松のバス事故で急死! 身分証明書が不明のため知らせが遅れ、笠原祥子は事故現場へとんだが手がかりは無い。新聞社へ勤めた彼女は、姉の交友関係の男たちを追求中同僚の婦人記者と、事件の鍵を握る女性の相次ぐ殺人事件に――。マスコミに潜む人間悪を抉る推理の傑作。(引用終わり)

図書館で借りた文庫本の奥付には1973年初版、2002年第70刷とある。超ロングセラーなのである。最近の文庫ではまずお目にかからない1頁43字19行の小さな活字で452頁もの長篇だが、清張御大の「傑作」にしてこの程度かというぐらい、中身が非常に薄いというか散漫に感じた。

祥子と姉の仕事関係者として各界の著名人が6人も登場するが、いずれも怪しげな人物で、全員確たるアリバイがない。誰が犯人だか分からないミステリーと言えなくもないけれど(タイトルはそれに由来するようだ)、犯人の特定に繋がる重要な事実が伏せられていて、最後のタネ明かしまで読まなければ分からないのだ。

作品世界も、出版マスコミ業界や銀座界隈、そしておそらくは編集者同行での取材旅行という、いわば作家の日常空間にある材料だけで話を延々と引張るので飽きてしまう。昭和30年代という時代背景もあるが、それを考慮しても今日の推理小説に比べるといかにも見劣りがする。

と、文句ばかり書いてきたが、ではなぜ最後まで我慢して読んだのかと言えば、その理由はこれである(笑)。原作にとらわれない、今の時代に相応しい脚本を期待したい。

2月10、12日 ジョグ10キロ

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2016/02/09

半年経過

1日2食生活を始めて半年が経過した。63キロ台半ばだった体重は順調に減って、現在59キロ前後で推移している。体調も頗る良い。さらに、最近はそれに加えて睡眠の質が向上した。

ひとつには、昼寝をしなくなったことがある。恥ずかしながら、昼食をとっていた頃はどうしても午後の眠気を我慢できなかった。ご飯や麺類の炭水化物のせいと思うが、おかげで夜の寝つきが悪かったり、未明に目が醒めてしまうことがあった。昼食抜きにすると午後の眠気も少なくなり、昼寝をやめると夜の寝つきがよく、朝までぐっすりのいいリズムになった。

もうひとつ、これは昼食抜きと直接関係はないが、適正酒量を守るようになってきた。歳のせいかもしれないが、最近は適量以上に飲むと翌朝の目覚めが極端に悪くなり、朝になっても脈拍が速かったりする。たぶん、これは身体の発するサインだろうと思い、「最後の1杯」を我慢するようにしている。これを経済学的に言えば、限界効用は逓減するが、限界弊害(?)は逓増するのだ。(笑)

2月8日 ジョグ10キロ

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2016/02/06

『柘榴坂の仇討』

Zakurozaka_22014年、製作委員会。松竹配給。アマゾンの紹介文。

安政七年(1860年)。
彦根藩士・志村金吾(中井貴一)は、時の大老・井伊直弼(中村吉右衛門)に仕えていたが、雪の降る桜田門外で水戸浪士たちに襲われ、眼の前で主君を失ってしまう。両親は自害し、妻セツ(広末涼子)は酌婦に身をやつすも、金吾は切腹も許されず、仇を追い続ける。
時は移り、彦根藩も既に無い13年後の明治六年(1873年)、ついに金吾は最後の仇・佐橋十兵衛(阿部 寛)を探し出す。しかし皮肉にもその日、新政府は「仇討禁止令」を布告していた。「直吉」と名を変えた十兵衛が引く人力車は、金吾を乗せ柘榴坂に向かう。そして運命の二人は13年の時を超え、ついに刀を交えるが…。(引用終わり)

元々文庫本38頁の短篇である浅田次郎の原作を元に、脚本を何度も改稿するなどして2時間の映画に仕上げたそうである。桜田門外の変に題材を取っているものの、金吾や十兵衛らの登場人物は浅田氏の創作による。

何といっても中井貴一の静謐な佇まいやセリフが、大失態を切腹で清算できないまま、恥を忍んで生き永らえなければならない武士の心情を窺わせ、映画全体をきりりと引き締めている。

クライマックスの仇討シーンの結末について、結果的にはそれが一番良かったと思うものの、では金吾の13年間の忍耐は一体何だったのかという思いは残る。実際のところ、過去からの訣別となるその結末を、金吾はある時点から決断していたに違いない。

それは秋元警部に説諭された時点かもしれないし、主君井伊直弼の言葉を思い出した時点かもしれない。あるいは「直吉」と名乗った理由を十兵衛自身から聞いた瞬間かもしれない。そのいずれかは、金吾の終始一貫して冷静な表情からは窺い知れないが、それはむしろ枝葉末節なのだろう。

十兵衛役の阿部寛のバタ臭い顔は若干違和感があり(似顔絵はそっくりだった・笑)、広末涼子も時代劇にはしっくり来なかったが、金吾の親友・内藤新之助役の高嶋政宏が意外に良かった。直弼役の中村吉右衛門はさすがの貫禄である。

2月4、6日 ジョグ10キロ

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2016/02/03

ドラマ『紙の月』

Papermoon_4角田光代原作のTVドラマ版。2014年、NHKで放映。アマゾンの紹介文。

梅澤梨花(原田知世)は夫・正文(光石研)と2人暮らし。子供ができなかったこともあり、わかば銀行でパートとして働き始める。渉外係として顧客を回り、家事をいとわず手伝ううち、梨花は名護たま江(冨士眞奈美)などの独居老人たちから絶大な信頼を得ていく。なかでも梨花にご執心なのは地域の地主の平林孝三(ミッキー・カーチス)だ。ある日、平林家に呼び出された梨花は、孝三に金を借りにきた孫の光太(満島真之介)と出会う。
それから2年後。梨花は顧客から預かった1億もの金を着服し、海外に逃亡していた。いったい梨花に何が起きたのか。高校時代の友人・岡崎木綿子(水野真紀)と中条亜紀(西田尚美)は、梨花が起こした事件をたどるなか、それぞれが抱える心の闇と向き合わざるを得なくなっていく。(引用終わり)

実は、宮沢りえ主演の映画版『紙の月』の方も観てみた。犯罪サスペンスものとしては面白かったが、原作とはかなり離れてしまっていた。それに比べれば本ドラマはタイでのロケも含めてほぼ原作に忠実で、金の魔力に絡めとられていく人間の業(ごう)といったテーマに正面から向き合っている。

平凡な主婦が1億もの大金を横領するに至る過程をリアルに、そして徐々に透明感を増すような演技を見せる原田知世が秀逸だ。ボケが始まった名護たま江が、梨花を実の娘と思い違いしたまま、「金だけが目当てのお前に比べて、梨花さんはいかに優しく親切か」と繰り返すうち、感極まった梨花がぼろぼろと涙をこぼす場面が印象的だった。

2月2日 ジョグ10キロ

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