『ライムライト』
1952年米。チャップリン脚本、監督、音楽、主演。ウィキペディアの紹介文。
かつてイギリス一と言われた道化師のカルヴェロ。いまや中年を過ぎすっかり落ちぶれ酒浸りの日々を送っていた。ある日カルヴェロは、自殺を企て意識不明で倒れていたテリーという美しいバレエの踊り子を助ける。すっかり失望して生きる気力を無くしていた彼女をカルヴェロは献身的に介抱し、もう一度バレエを踊らせる。
再び踊りはじめたテリーはダンサーの職を得、作曲家のネヴィルにも気に入られ新作バレエの第一ダンサーに抜擢される。一方のカルヴェロはカムバックに失敗し、逆にテリーに励まされる始末だった。
テリーに惚れ込んだネヴィルは彼女に愛を告白する。しかし彼女の想いはカルヴェロにあった。テリーはカルヴェロに結婚しようと言い出す。カルヴェロは年齢差や自らの境遇とテリーの順風満帆の現在を比べ、結婚話をばかげていると一蹴してしまう。カルヴェロは彼女の元を離れ辻音楽師へと落ちぶれてゆく。
テリーはヨーロッパ各地での興業でも絶賛される。ある日街角で偶然カルヴェロに再会したテリーは、もう一度彼を舞台に立たせるように手筈を調える。 再起の舞台で熱演するカルヴェロに観客は惜しみない拍手を送る。カルヴェロは熱演のあまり、予定よりも勢いよく舞台から転落、そのまま袖に運ばれる。テリーの脚光を浴びる姿を見ながらカルヴェロは息を引取るのだった。(一部省略、引用終わり)
大傑作である。チャップリンの喜劇役者としての人生の集大成と言えるような作品であり、またこの作品を最後に、彼はアメリカから国外追放されるという巡り合せともなった。
ようやく立ち直り、プリマの地位を得たテリーの将来を思い、彼女からの愛の告白を頑として拒み、彼女の元から去っていくカルヴェロの心情に心が打ち震えた。彼女の努力で立った最後のステージで渾身の演技を披露し、鳴り止まぬ拍手に応えたアンコールの最後に舞台から転落して、舞台袖で息を引き取ったカルヴェロは、まさに本望だったろう。
有名なテーマ曲がチャップリン自身の作曲であることを、実は最近になって知った。また、自身のセリフにはシェークスピアばりの名文句がいくつも出てくる。大変な才人だったのだ。最も気に入った文句はこうだ。
All it needs is courage, imagination, and a little dough.
(人生に必要なものは勇気と想像力、そして少しの金だ。)
12月14、16日 ジョグ10キロ
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