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2015/08/25

『トリコロール/青の愛』

Bleu1993年仏他。『デカローグ』のキェシロフスキー監督による「トリコロール」三部作の第1作。93年ヴェネツィア国際映画祭で金獅子賞、女優賞、撮影賞を受賞した。ウィキペディアの紹介文。

高名な作曲家の夫と幼い娘を交通事故で一度に亡くし、自らも重傷を負ったジュリーは退院後、郊外の家と家財道具一式、さらには夫が遺した未完の楽譜も処分してしまう。 ある夜ジュリーは、亡夫の同僚で、彼女に想いを寄せていたオリヴィエを呼び出し、一夜だけ愛し合った後、パリへと去る。久々の一人暮らしの中で出会う、様々な人間模様。しかし静かな日々の中でも、夫が未完のまま遺した欧州統合のための協奏曲の旋律が、どうしてもジュリーの頭によみがえってしまう。そんなある日、処分したはずの夫の未完の楽譜の写しをオリヴィエが持っており、彼がその協奏曲を完成させようとしているのを知る。そして、夫が見知らぬ若い女性と共に写っている写真も公開されていて……。(引用終わり)

入院中に服毒自殺を図るほどの絶望に突き落とされた主人公は、生活環境を一変させることで過去の悲しみから何とか決別しようとするが、折に触れて事故の記憶がフラッシュバックする。その際、決まって同じピアノのメロディが流れ、映像が何秒か途切れる演出は巧みである。

亡き夫とジュリー、両方の良き理解者であるオリヴィエの助けを借りて、ジュリーは亡夫の遺作である協奏曲を完成させる。また、亡夫の愛人でその子供を身ごもった女性には自分が去った屋敷をゆずることにする。そうすることでジュリーはようやく過去と折り合いをつけ、新しい人生を歩み始めることが出来るのである。

タイトルである青を中心に色彩を巧みに使った映像は、どの瞬間を切り取っても絵になると思えるほど美しい。また、ストーリー上、音楽が重要な役割を果たし、ピアノやリコーダー(字幕ではフルート)が奏でるシンプルなメロディが印象的だ。

映画『アマデウス』を思わせる、二人で協力しながら大判のスコアにオーケストレーションを仕上げていくシーンがあるのだが、エンドロールで「アレクシス・ワインセンベルク、アンドリュー・リットン、スイス・ロマンド管弦楽団に特に感謝の意を表する」とあり、クラシックの一流アーティストに助言を仰いでいたことが分かる。

とてもいい映画を観た。

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