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2015/06/20

『家族ゲーム』

Game_21983年、森田芳光監督作品。松田優作他。ツタヤの紹介文。

息子の高校受験のためにと雇った風変わりな家庭教師がやって来たことで一家に巻き起こる騒動を描いた傑作ホーム・コメディ。「の・ようなもの」の森田芳光監督が、現代家庭の抱える問題をシュールなタッチでユーモラスに描く。横一列に並んでの食事シーンなど斬新な表現手法が話題を呼んだ。出来のいい兄とは反対に、問題児の中学3年の弟・沼田茂之。高校受験を控えて、家庭教師としてやって来たのは三流大学の7年生でなぜか植物図鑑を持ち歩く吉本勝という奇妙な男だった……。(引用終わり

「よく勉強して成績を上げて、いい学校を卒業して、いい会社に入る」ことが、高度成長期の日本では絶対的な価値基準となり、特に都市部ではそれがほとんどの家族を支配していた。子供をいい学校に入れることが親の最大の使命となり、子供はその期待を一身に背負って毎日を過ごすことになる。

それをあたかも「ゲーム」であると措定してみたところから、この作品は始まっているのだろう。いろんなコメントにあるように、この一家は食事の際もお互いの顔を眺めるのではなく、横一列になって顔を合わせないまま食事をとる。あたかも、あるべき家族像が正面にあって、皆でそれとだけ向き合っているかのように。

そこに現れた型破りな家庭教師・吉本が、次男を立ち直らせてみごと高校受験に成功させるが、今度は長男が問題児になりかけ、父親がその指導をも引き受けさせようとした辺りから、吉本の秘められていた怒りに火がつく。次第次第にカタストロフィーへと突き進む、この食卓シーンは圧巻である。筒井康隆の小説を連想させる、不条理かつシュールレアリスムの世界が映像になってそこにあるのだ。

それまでのアクションものとは全く違った役柄を演じた松田優作の演技が、何といっても素晴らしい。共に既に鬼籍に入った伊丹十三と絡むシーンなど、まさに鳥肌が立つほどゾクゾクさせられる。

ところで、兄弟が部屋で眠りこけ、外でヘリコプターが飛び回る様子を窺った母親も居眠りしてしまうラストシーンは解釈が難しい。沼田家の一見すると平和な日常生活の外では、大きな時代変革が進行しつつあるという寓意だろうか。いずれにせよ、観る者の心にそこはかとない不安を残すエンディングである。

6月18日 休養
6月19日 ジョグ10キロ
6月20日 休養

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