読響定期
27日はサントリーホールで開催された読売日本交響楽団第546回定期演奏会を聴いた。曲目はモーツァルトの「劇場支配人」序曲と交響曲第41番「ジュピター」、それにR.シュトラウスの交響詩「英雄の生涯」である。G.コルステンの指揮、コンサートマスターは長原幸太が務めた。
実はこのプログラムは2011年3月14日の定期演奏会で演奏される予定だったが、直前に東日本大震災が発生し、公演前日までリハーサルを進めたものの当日朝にキャンセルが決定した。そのときと同じ指揮者が再来日し、同じ曲目を4年越しで演奏する運びとなったものである。前日の卒業式に続いて、4年前の出来事に思いを致さずにはいられない機会となった。
読響をナマで聴いたのは初めてだが、1962年創設と比較的歴史が浅いにもかかわらず、常設では日本でベスト3に入るぐらいの実力がある楽団だと感じた。年俸ン億円という野球選手を何人も雇えるだけの資金力にモノを言わせれば、オケの1つや2つ抱えるぐらい何の造作もないことだろう。(笑)
さて、前半のモーツァルトは今や主流となったピリオド奏法によるものだが、それぞれの音をたっぷりと響かせ、またメロディをよく歌わせた流麗な演奏で、かつてのような速いテンポのキビキビした演奏とは対極的な行き方が面白かった。ジュピターを聴いていて、R.クーベリックがバイエルン放響を指揮した録音を思い出した。
後半の「英雄の生涯」は、4管編成の大管弦楽による音の洪水に圧倒された。冒頭の気宇壮大な「英雄」の主題と、独奏ヴァイオリンに現れる優美な「英雄の伴侶」の主題が、次第に気心通じ合うように展開し、「英雄の敵」と戦って最終的に勝利を収めるというストーリーが、音の絵巻物のように展開する。
…と通常は考えられ、大抵の解説にはそう書かれているのだが、実はそう単純な話でもないようなのだ。コンサートで配布された読響『月刊オーケストラ3月号』の広瀬大介氏による解説文によれば、この曲は同時期に作曲された交響詩「ドン・キホーテ」と対になる作品として構想され、「ドン・キホーテ」で描いた内容をさらに敷衍し、作曲者みずからの来し方行く末に重ね合わせた作品、と捉えるべきだとしている。大変に興味深い指摘である。
3月27日 休養
3月28日 LSD40キロ
3月29、30日 休養
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