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2015/03/31

ブログ開設10年

2005年3月31日に始めたこのブログが10年の節目を迎えた。そもそも、その翌月のボストンマラソンの模様を現地から報告してみようと、何事にも慎重というか保守的な自分にしては、「エイヤッ!」と勢いで始めたのだが、まさか10年も続くとは考えていなかった。

最初の半年だけは毎日、その後は隔日になったり、仕事が忙しい時は週1回になったりしたこともあるが、細々とでも何とか続けて来られたのは、このブログというものが比較的気楽に続けられるツールであるからに違いない。

基本的に何をどう書こうと自由。書かなくても文句を言われる筋合いはない。たまにコメントが来れば嬉しいし、悪意あるコメントは削除すればよい。運営者が主体性を保ったまま、マイペースで続けられるところが何よりだ。

開設以来の記事は今回を含めて1,743件。プライベートで別に書いている日記とは違い、ネットで公開することを前提にそれなりに考え、推敲して書いた文章は、いずれも我が子のように愛着がある。

そのうち、最も印象に残っているものはと言えば、まずは35回に亘る「マラソン論」であるが、その他では「西八物語」、「接待マラソン」、「一年半待て」が自選ベスト3といったところである。

そういうわけで、「書きたい」という意欲が続く限り、まだ当面は続けていきたいと思う。

3月31日 ジョグ10キロ
月間走行 180キロ

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2015/03/30

読響定期

27日はサントリーホールで開催された読売日本交響楽団第546回定期演奏会を聴いた。曲目はモーツァルトの「劇場支配人」序曲と交響曲第41番「ジュピター」、それにR.シュトラウスの交響詩「英雄の生涯」である。G.コルステンの指揮、コンサートマスターは長原幸太が務めた。

実はこのプログラムは2011年3月14日の定期演奏会で演奏される予定だったが、直前に東日本大震災が発生し、公演前日までリハーサルを進めたものの当日朝にキャンセルが決定した。そのときと同じ指揮者が再来日し、同じ曲目を4年越しで演奏する運びとなったものである。前日の卒業式に続いて、4年前の出来事に思いを致さずにはいられない機会となった。

読響をナマで聴いたのは初めてだが、1962年創設と比較的歴史が浅いにもかかわらず、常設では日本でベスト3に入るぐらいの実力がある楽団だと感じた。年俸ン億円という野球選手を何人も雇えるだけの資金力にモノを言わせれば、オケの1つや2つ抱えるぐらい何の造作もないことだろう。(笑)

さて、前半のモーツァルトは今や主流となったピリオド奏法によるものだが、それぞれの音をたっぷりと響かせ、またメロディをよく歌わせた流麗な演奏で、かつてのような速いテンポのキビキビした演奏とは対極的な行き方が面白かった。ジュピターを聴いていて、R.クーベリックがバイエルン放響を指揮した録音を思い出した。

後半の「英雄の生涯」は、4管編成の大管弦楽による音の洪水に圧倒された。冒頭の気宇壮大な「英雄」の主題と、独奏ヴァイオリンに現れる優美な「英雄の伴侶」の主題が、次第に気心通じ合うように展開し、「英雄の敵」と戦って最終的に勝利を収めるというストーリーが、音の絵巻物のように展開する。

…と通常は考えられ、大抵の解説にはそう書かれているのだが、実はそう単純な話でもないようなのだ。コンサートで配布された読響『月刊オーケストラ3月号』の広瀬大介氏による解説文によれば、この曲は同時期に作曲された交響詩「ドン・キホーテ」と対になる作品として構想され、「ドン・キホーテ」で描いた内容をさらに敷衍し、作曲者みずからの来し方行く末に重ね合わせた作品、と捉えるべきだとしている。大変に興味深い指摘である。

3月27日    休養
3月28日    LSD40キロ
3月29、30日 休養

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2015/03/26

祝!卒業

大学ネタつながりは偶然だけれど、息子の卒業式のため東京に来ている。本日午前中に全学(といっても2日間計5回に分けてだが)、午後から学部の卒業式が行われた。

さすがはマンモス大学だけあって、全卒業者は1万2千人を超えるというから驚く。大学オケによる「マイスタージンガー前奏曲」と「大学祝典序曲」に始まり、最後は恒例の校歌斉唱となったが、世にこれほど有名な校歌も他にないだろう。(笑)

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4年前の入学の時は東日本大震災直後で、入学式は中止され、授業開始も1か月遅れるという混乱のさなかであったが、今日は朝から雲ひとつない快晴の下、こうして無事に卒業式を迎えられ、卒業生にとってその喜びも一入(ひとしお)だったろう。

さて、これで二人の子供も独立し、名実ともにリタイア生活に入ることになるわけで、自分にとっても人生の一区切りになったように感じた。

3月24日 ジョグ10キロ
3月25日 休養
3月26日 ジョグ10キロ

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2015/03/23

アメリカン・フットボールを初観戦

先日、大阪のキンチョウスタジアム(長居球技場)で行われた、関西学院大学とプリンストン大学のアメリカン・フットボールの試合を観戦した。両大学ともに縁があるということで家族揃って行ったのだが、アメフトの試合をナマで観るのは実は初めてであった。

Ts3r0021

これまでTVなどでちょこっと見たりすることはあったが、動いては止まりで一体何をやっているのかよく分からない始末だった。さすがに今回は事前に基本的なルールを少し勉強してから行ったので、今どうなっているのかぐらいは理解できた。

高度に分業化された大人数の選手が頻繁に交代して、複雑な作戦の下で与えられた役割をこなしていくという、まさに組織プレイの極致のようなスポーツという印象を持った。野球もそうだけど、アメリカ人ってこういう人間が頭で考えて作ったようなスポーツが好きなのだなあ。

3月21日 休養
3月22日 ジョグ10キロ
3月23日 休養

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2015/03/20

ここはどこ?

この部屋に見覚えがあるだろうか?

Ts3r0020

3月18日 ジョグ10キロ
3月19日 休養
3月20日 ジョグ10キロ

続きを読む "ここはどこ?"

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2015/03/17

『鳩の撃退法』上下

Hato佐藤正午の新刊。上下巻計953頁の長篇作品は、アマゾンの紹介文も長篇だ。(笑)

かつての賞作家・津田伸一は、いまはとある地方都市で無店舗型性風俗店「女優倶楽部」の送迎ドライバーとして暮らしている。ある日、明け方のドーナツショップで顔見知りになった男が、その日の夜を境に妻と幼い娘ともども失踪するという事件が起きる。
家族三人の「神隠し」事件から一年と二ヶ月が過ぎた頃、以前から親しくしていた古書店の店主・房州老人の訃報とともに、津田伸一のもとへ形見のキャリーバッグが届けられた。老人が生前、持ち歩いていた愛用の鞄はしっかり鍵がかかっていて、重みもある。なんとか開錠した津田伸一の目に飛びこんできたのは、数冊の絵本と古本のピーターパン、それに三千枚を超える一万円札の山だった。
この老人からの遺産で、残りの人生を楽しく生きられると思ったのも束の間、行きつけの理髪店で使った最初の一枚が偽札であったことが判明する。女優倶楽部の社長によれば、偽札の出所を追っているのは警察ばかりでなく、一家三人が失踪した事件も含めて街で起きた事件には必ず関わっている裏社会の“あのひと”も目を光らせているという。まさか手もとの一万円も偽札なのか。白黒つけたい誘惑に勝てず、津田伸一は駅の券売機に紙幣を滑り込ませてみるが……。(引用終わり)

5年の歳月をこれ一本に費やして完成した長篇は、作者自身「墓碑銘にしたい」と語るほどの自信作だという。全体はかなり入り組んだ構成のメタフィクションであり、過去と現在を行きつ戻りつしながら、主要登場人物である津田自身が「事実を曲げ」ながら書き進んでいる小説と、小説内の「事実」とがないまぜになって進行する。

家族三人の失踪事件の真相解明と、津田が掴まされた偽札を巡るゴタゴタが主要テーマとなっているが、両者が複雑に絡み合いながら同時進行し、その驚くべき全体像が次第に浮かび上がってくる。そのどこまでが「事実」で、どこからが津田の想像の産物なのか。再読すれば、その種明かしも含めて「二度おいしい」小説かもしれない。

3月15日 休養
3月16日 ジョグ10キロ
3月17日  休養

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2015/03/14

『まほろ駅前多田便利軒』

Mahoroほとんど映画ブログになってきた(笑)。2011年製作委員会。瑛太、松田龍平他。アマゾンの紹介文。

ペットの世話、塾の送迎代行、納屋の整理、そんな仕事のはずだった――。
東京郊外のまほろ市で、けっこう真面目に便利屋を営む、しっかり者の多田啓介。そんな多田のもとに、風変わりな同級生、行天春彦が転がり込んできた。1晩だけのはずが、行天は一向に出て行かず、多田はしぶしぶ便利屋の助手をさせることに。こうして、水と油のような2人の奇妙な共同生活が始まった。
多田便利軒を訪れるのは、まほろ市に住むくせ者たちばかりで、なんだかんだと彼らを放っておけない多田と行天は、やっかいごともしぶしぶ請け負っていたが、やがてある事件に巻き込まれていく――。
ともにバツイチ、三十路の男2人の痛快で、やがて胸に熱く迫る便利屋物語が始まる――。(引用終わり)

いつもジョグする公苑周回コース上に感応式信号がある。ここでT字交差する道路は交通量が少なく、通常は赤だけれど、車が来て止まるとこれを感知して、しばらくすると青に変わる。しかし、車の停止位置によっては感知しない場合があり、何台もの車が連なっているのを見かけることがある。

そういう時、見るに見かねて歩行者用の押しボタンを押してあげることにしている。先頭の車の運転者に注意してもいいのだけれど、それから停止位置を直したりするより、ボタンひと押しだけで済むので早いのである。うっかり運転者にとっては再発防止にならないのだが。(苦笑)

我ながらおせっかいと思わないでもないが、世の中にはそういうことをする人間と、しない人間、あるいは、そういうことを思いつく人間と、思いもしない人間がいるのだとすれば、この映画の多田と行天は間違いなく前者だ。でなければ、預かった犬の飼い主が夜逃げしたからといって、頼まれもしないのに代わりの飼い主を探したりはしないだろう。

その二人はいずれもバツイチなのだが、それぞれ人には言えないような複雑な事情を抱えている。そうした事情は腹の底にしまいこんで、便利屋稼業に日々勤しんでいる彼らに、様々な事件が降りかかるというお話。二人の会話の微妙な間合い、乾いたユーモアが何とも言えず魅力的だ。

三浦しをん原作の映画は、『風が強く吹いている』『舟を編む』『神去なあなあ日常』と観てきて、これが4作目である。箱根駅伝、辞書編纂、林業、それに便利屋と、いずれも一風変わった題材を取り上げ、映画にしてみたくなるほど面白い物語に仕立て上げているのだ。

3月12日 ジョグ10キロ
3月13日 休養
3月14日 LSD20キロ

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2015/03/11

『LUCY』

Lucy_22014年仏。リュック・ベッソン監督、スカーレット・ヨハンソン主演。アマゾンの紹介文。

10%しか機能していないと言われる人間の脳。しかしルーシーの脳のリミッターは外されてしまった――。
ごく普通の生活を送っていた女性ルーシー。ある日、マフィアの闇取引に巻き込まれてしまい、そこで起こったアクシデントによって彼女の脳は異変をきたす。「人類の脳は10%しか機能していない」と言われるが、ルーシーの脳は覚醒し、次々と人智を超えた能力を発揮し始める。脳科学者ノーマン博士は彼女の脳の可能性を信じ、落ち合う約束をする。一方、マフィアは行方をくらませたルーシーを巨大な組織全体で追い詰めていく。マフィアの裏をかき、博士の元へ向かうルーシーは次第に人間性を失い、自分自身でさえもコントロール不能な暴走状態へと陥ってしまう。覚醒の勢いは誰にも止めることはできない――彼女の存在は、人類を破滅に導くのか、それとも、救いとなるのか…。(引用終わり)

どこにでもいる普通の女性が、偶然の出来事からのっぴきならない境遇に放り込まれ、信じられないような変貌を遂げていくというストーリーは、同じ監督の『ニキータ』『レオン』と同様であるが、今回は成熟した大人の女性が演じることで、迫力とスピード感が一層増している。

韓国マフィアの男たちが束になってかかっても顔色ひとつ変えず、またパリ市街をパトカーで爆走するシーンも見応え十分だ。ただ、こうした派手なアクションの末の結末だけは、哲学的あるいは宗教的とさえ言えるもので、少しばかり意外な感じがした。

ところで、太古からの人類の歴史を象徴するものとして、手で水をすくって飲む類人猿が登場するが、これはもしかすると1974年にエチオピアで発見されたアウストラロピテクスの女性人骨で、「人類最初の女性」と言われた「ルーシー」という設定かもしれない。

本作の主人公がルーシーというのは恐らくそれを踏まえたもので、人類究極の能力を獲得した女性の名もまたルーシーというわけだ。ちなみに、その人骨を発見したのが、アメリカの人類学者 Donald Johanson だったというから、話はよく出来ている(ただし、スカーレットはダブルsのJohansson)。

3月 9日 休養
3月10日 ジョグ10キロ
3月11日 休養

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2015/03/08

『レインマン』

Rainman_21988年米。ダスティン・ホフマン、トム・クルーズ他。アマゾンの紹介文。

事業に失敗して破産寸前のチャーリー(トム・クルーズ)のもとに、絶縁状態だった父親からの訃報が届く。帰郷した彼は、父の遺産が匿名の受益者に贈られると聞きショックを受ける。その受益者とはチャーリーがその存在さえ知らなかった自閉症の兄レイモンド(ダスティン・ホフマン)だった……。(引用終わり)

何と言っても、ダスティン・ホフマンの名演技が光る。立ち居振る舞いや喋り方はもとより、物言わずともその表情や目つきからして、もう完璧な役作りである。

以下、ネタバレあり。

3月5日   ジョグ10キロ
3月6、7日 休養
3月8日   ジョグ10キロ

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2015/03/04

『戦場のピアニスト』

Pianist2002年仏独ポーランド英合作。allcinema の紹介文。

1939年9月、ポーランド。ナチス・ドイツが侵攻したこの日、ウワディクことウワディスワフ・シュピルマンはワルシャワのラジオ局でショパンを演奏していた。街はドイツ軍に占拠され、ユダヤ人をゲットー(ユダヤ人居住区)へ強制移住させるなどの迫害が始まる。シュピルマン家も住み慣れた家を追われる。ゲットー内のカフェでピアノ弾きの職を得た彼は、様々な迫害に遭いながらも静かに時をやり過ごす。しかし、やがて一家を含む大量のユダヤ人が収容所へと向かう列車に乗せられる。その時、一人の男が列車に乗り込もうとしていたウワディクを引き留めた。(引用終わり)

シュピルマンは実在の人物で、戦後は作曲家としても活動を続け、2000年に死去したそうである。彼自身の体験記に基づいて製作されたこの映画を、本人が観ることは叶わなかったわけだが、カンヌ映画祭のパルムドールとアカデミー賞3部門を受賞した。

ナチスドイツ占領下のワルシャワにおけるユダヤ人の悲劇が、実に淡々とと言うのか、事実をして事実を語らしめる手法で描かれている。目を背けたくなるような惨殺シーンも、過剰な演出がない分、余計に強烈な印象を残す。

最後の危機をシュピルマンが乗り越えられたのは、まさに「芸は身を助く」ということに尽きるが、たまたまそれが通用する相手だったのは、幸運以外の何物でもないだろう。

蛇足を2つ。まず、セリフは基本的に英語だが、これは劇中ではポーランド語という前提になっているようだ。そうでないと、なぜ主人公がポーランド人と判明したのか分からないシーンがある。もうひとつは、ナチ将校が彼の名前を尋ねて「ピアニストらしい名だ」と言ったのは、ドイツ語で「楽隊員」を意味する Spielmann に似ていると思ったからだろう。

ところで、この原稿を書き始める前に「戦場のピアニスト」で検索したら、どういう訳か検索ワードランキングの第1位に出てきた。近いうちにTV放映でもあるのだろうか。

3月2日 休養
3月3日 ジョグ10キロ
3月4日 休養

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2015/03/02

マラソン引退

篠山マラソンは昨年はDNFだったが、今年はついにDNSとなった。一緒に走る約束をしていたラン友が故障で走れないと分かった時点で、もう積極的に走る理由が乏しくなったところに、終日冷たい雨との天気予報がとどめを刺した。

これが最後のレースと考えていたので、結局前回の大阪マラソンが最後のレースということになる。過去最大級の痙攣に襲われた地獄のレースだったが、それが42本目というマラソンにとってキリのいい数字だったと思いたい。

もちろん、ランニングは体が動く限り続けたいし、街道走りや廃線ランなどファンランを楽しんでいきたい。

2月27日 休養
2月28日 ジョグ10キロ
月間走行 180キロ(笑)
3月 1日 休養

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