『なぜ妻は、夫のやることなすこと気に食わないのか』
幻冬舎新書。近頃の新書本のタイトルは長く、また即物的である。『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』あたりから始まったように思うが、最近ますますその傾向が強まっているようだ。著者の石蔵文信氏は医師で、男性更年期外来を開設している。カバーの紹介文。
「昔は優しかったのに、キレやすくなった」と嘆く男性は多いが、実は妻の性格は出会った当初から全く変わっていない。恋人が可愛く思え、短所さえ許せたのは10~20代に盛んに分泌される自らの男性ホルモンの仕業に過ぎないのだ。故に、分泌が減り冷静になった時「こんな女だと思わなかった」と後悔するのは自然の理。男にとって女はエイリアンにも等しい異なる存在なのである。夫婦は上手くいく方が奇跡で、男女お互い様だ。600人の夫婦問題を解決した著者が、夫婦生活を少しでも賢明に過ごすための「家庭内マネジメント」を提言する。(引用終わり)
本書の40頁に、
妻が美容院に出かけると半日は帰ってこなくて、「髪を切るだけなのに、いったい何時間も美容院で何をしているのだろう?」といぶかしく思ったことのある夫は少なくないなずだ。
という記述がある。実はうちも同じで、家内が美容院に出かけると本当に半日帰ってこないのである。自分は大衆理容に行くので、正味20分で散髪が終わるというのに、どうしてそんなに時間がかかるのか、これまで全く理解できないでいた。
また、なぜ女性は筋道も結論もない話を延々と続けるのか。なぜ具体的に買いたいものがなくてもショッピングに出かけるのか。なぜ昔の恨みをいつまでも覚えていて口げんかのたびに何度でも蒸し返すのか。本書を読んでそれらの理由がよく分かった。「エイリアン」は多少大袈裟だとしても、男と女は全く異なる行動原理で動いているのだ。
夫が現役で外に働きに出ている間はまだよい。退職して家にいる時間が増えたら、妻とどうつきあえばいいのか。長年すれ違いの生活を続けてきた夫婦は、定年を機に仲良くする努力をしたほうがいいのか、という命題に対して、著者の答えは「NO」である。
夫婦なんて所詮は赤の他人なのだから、そこそこうまくいけばいいのであって、(中略)「夫婦はいつも仲良くあらねばならない」などと、むやみに高い理想を掲げてがんばる必要はない。(中略)定年後の夫婦関係で取り組むべき努力の方向性は、「夫婦仲良く一緒に」ではなく、「お互いに気が楽な関係」が正解だと思う。(147-148頁)
タイトルから想像していた中身とはちょっと違い、また「エイリアン妻と共生するための15の戦略」には受け入れがたいものが多かったが、男女の本質的な違いについての指摘や、定年後の夫婦関係の方向性についての提言など、まさに目からウロコが落ちる思いで、読んだ意義は大きかったと思う。
1月4日 休養
1月5日 ジョグ10キロ
1月6日 休養
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コメント
私ももってます~~~~(苦笑!!)
投稿: たけした | 2015/01/06 19:46
たけしたさん
何となく「同類相憐れむ…」かなと思ってました。(苦笑)
投稿: まこてぃん | 2015/01/06 21:24