『鹿男あをによし』
万城目学著。映画『プリンセス・トヨトミ』は観たことがあるが、この作家の本は初めて。アマゾンの紹介文。
大学の研究室を追われた二十八歳の「おれ」。失意の彼は教授の勧めに従って奈良の女子高に赴任する。ほんの気休めのはずだった。英気を養って研究室に戻るはずだった。渋みをきかせた中年男の声が鹿が話しかけてくるまでは。「さあ、神無月だ―出番だよ、先生」。彼に下された謎の指令とは? 古都を舞台に展開する前代未聞の救国ストーリー。(引用終わり)
鹿が話した指令を守らないと「印」をつけられ、次第に鹿の顔に変えられていく主人公の「おれ」(氏名不詳)は、最初は理不尽と思えた指令を果たし、日本を未曽有の厄災から救うべく、周囲の冷たい視線に耐えながら奔走する…。
とまあ、何とも摩訶不思議なストーリーだが、それが全くの荒唐無稽でもなく、卑弥呼伝説や春日大社の由縁などの歴史を踏まえた、「もしかしたらあり得るかも」と思わせる、スケールの大きな仕掛けが終盤で明らかになっていく。
奈良市内のみならず、飛鳥の観光名所も登場するのは、地元民としては嬉しいところ。今はもうない奈良ビブレに鹿に乗って買い物に行くという文章にはにんまりさせられた。また、「大和杯」剣道の部の描写は、対戦の様子が目に浮かぶようで大変迫力があった。
11月23日 休養
11月24日 LSD20キロ
11月25日 休養
11月26日 ジョグ10キロ
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