映画『東京難民』
時枝修は、どこにでもいる大学生だった。授業をサボり、合コンで盛り上がり、気楽な毎日を送っていた。だが――何の通知もなしに突然、授業料の未払いを理由に、大学を除籍される。生活費全般の面倒を見てくれていた父親が、借金を抱えて失踪したのだ。当然家賃の支払いも無く、アパートから強制的に追い出された修は、ネットカフェに泊まりながら日払いのバイトで食いつなぐ。ある日、騙されて入ったホストクラブで高額の料金を突きつけられ、その店で働くしかなくなるが、ホストの裏側を見てしまった修は無傷で抜け出すことが出来ず、ついにはホームレスにまで転落してしまう――。(引用終わり)
監督の佐々部清が文庫本の解説に書いていたとおり、上下二巻の原作をかなり切り詰めていて、例えば修が大学生だった時の彼女や友人が全く登場しない。その彼女との訣別は修の転落の象徴でもあったのだが、映画の方ではそれよりもホストクラブに通う看護師・茜にスポットを当てていて、彼女が実質的なヒロインと言える。
主人公とヒロインが出会い、次第に深い関係になるが、やがて辛い別れがあって、意外な形で再会する。オーソドックスな映画作りではあるけれども、そのために修のホストクラブ時代の場面が長すぎ、それ以外も含めた転落の過程全体を冷徹に俯瞰した原作の恐ろしさが、少し希薄になった感は否めない。
10月5日 休養
10月6、7日 ジョグ10キロ
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