『ヒートアイランド』
ジャケット写真や冒頭の「ファイトパーティ」の映像から、バイオレンス系の映画かと思ったが、実は「群像サスペンス・コメディ」だった。途中で止めないで良かった。(笑)
約3千万円の入ったバッグを巡る、「ギルティ」の6人組、強盗団、関西と東京の2つの暴力団、それにブラジルマフィアまで加わった5つ巴(?)の争奪戦がテンポ良く展開する。手に汗握るサスペンスの所々に「ツッコミ」が入り、思わずクスッとさせられる。笑いの本質は「緊張と緩和」という故枝雀師匠の理論どおりだなと感心した。
主人公アキ(城田優)と強盗団のリーダー柿沢(伊原剛志)の頭脳対決がとても格好良く、ハードボイルドとしてもなかなか良い出来栄えだ。冒頭の伏線を見事に生かしたラストシーンも決まっている。「汚いカネ」が標的とは言え、思わずこの強盗団を応援してしまいたくなった。
北川景子演じる「ギルティ」の紅一点ナオは、『パラダイス・キス』の紫同様、ファッションモデルという設定だが、ただ綺麗で可愛いというだけの役柄で、その演技を云々できるほどの場面がなかったのは残念だ。
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