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2014/07/28

『13階段』

13_2高野和明のデビュー作。江戸川乱歩賞受賞。版元の紹介文。

犯行時刻の記憶を失った死刑囚。その冤罪を晴らすべく、刑務官・南郷は、前科を背負った青年・三上と共に調査を始める。だが手掛かりは、死刑囚の脳裏に甦った「階段」の記憶のみ。処刑までに残された時間はわずかしかない。2人は、無実の男の命を救うことができるのか。江戸川乱歩賞史上に燦然と輝く傑作長編。(引用終わり)

7月22、23日 ジョグ10キロ
7月24日    休養
7月25日    ジョグ10キロ
7月26日    休養
7月27日    ジョグ10キロ

あまりネタバレはないけれども…

終盤近くで指紋の主が意外な人物だったことが判明した辺りから、全体が何重もの冤罪構造になっているらしいことが分かったが、一体誰が誰を陥れようとしていたのかなど、事件の真相が明かされるまでには、なお二重三重のどんでん返しが用意されている。

ミステリーとしては面白いけれども、あまりに偶然が重なり過ぎている上に、そもそも現職の刑務官が(退職が前提とは言え)冤罪を晴らす活動に加担し、前科を持つ青年がそれに協力するという設定自体、リアリティに欠けると言わざるを得ない。

しかし、世上あまり知られることのない死刑の実際や、刑務官の職務内容などが詳細に描かれており、謎解きの傍ら死刑制度というものの意味を考えさせられる作品となっている。なお、タイトルの「13階段」とは、俗に言う死刑台の階段のことではなく(日本の場合は階段はなく、床が下に開く構造になっているそうだ)、死刑囚に実際に刑が執行されるまでの手続きが13あり、13人がこれに関与することから付けられたものだ。

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