ベートーヴェン・ツィクルス
1975年から77年にかけて録音された、カラヤン3度目のベートーヴェン交響曲全集である。オケは当然、ベルリンフィル。2008年のカラヤン生誕100周年記念で再発売されたCD6枚組で、アマゾンで2,569円という驚くべき値段で出ていた。
まだ中学生だった1973年の来日公演で田園と第5を聴いたことはあるが、カラヤンのベートーヴェンを通して聴いたのは実は初めてだ。アンチ・カラヤンというほどではないが、かつては本当の(?)クラシックファンは「カラヤンよりベーム」といった風潮があったものだ。
「流線型の音楽」とでもいうべきか。全体の構成もそうだが、パーツとなるそれぞれの音に至るまで、全てが美しいフォルムに統一され、完璧なバランスにコントロールされている。ベートーヴェンが古典派の殻を.破ろうとして仕掛けた、ある種荒削りな部分もその例外ではなく、全体の美しい構造の中に予定調和の如く矛盾なく納まっている。まるでモーツァルトのようなベートーヴェン。そう言えば、カラヤンはザルツブルク生まれだった。
そういう意味で、偶数番号のシンフォニーにその美点が生かされていると思われる。第4、第8、第2は特に美しい。田園だけはなぜか少し違和感があった。また、全体を通して緩徐楽章の優美さが印象に残った。第9第3楽章のこれほど美しい演奏を私は他に知らない。流石、アダージョ・カラヤン!(笑)
アマゾンのレビューでは録音の優秀さを絶賛するものがあったが、私の耳には第9を除いていまひとつという印象であった。コントラバスの低音が響きすぎる箇所が多く、また管楽器の音が遠い。折角名人揃いのベルリンの管なのに、カーテン越しに聞かされているような感じなのである。
12月25日 ジョグ10キロ
12月26日 休養
12月27、28日 ジョグ10キロ
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