フランス国立放送フィル演奏会
昨夜はこの春オープンした大阪・中之島の新フェスティバルホールで、フランス国立放送フィルハーモニー管弦楽団の演奏会を聴いた。朝比奈時代の大阪フィル定期など、旧フェスティバルホールには何度も足を運んだが、新ホールは今回が初めてである。
1階正面の赤い絨毯の大階段は旧ホールより格段に立派になったが、その分歩いて上がるより横のエスカレーターを利用する人が多いようだ(苦笑)。ホール1階はビルの5階に当たっていて、2階のエントランスから緩やかな長いエスカレーターで上がるようになっている。照明も落とされていて、非日常空間への移動を演出しているかのようだ。
中は旧ホールと同様、横に広くて客席からステージが近い構造である。当日は2階席の4列目だったが、ステージが意外なほど近くに感じられる。残響時間は十分にあるが、残響成分は抑え気味で、直接音主体に感じられた。この方が聴きやすくていいと思う。
指揮は2000年からこの楽団の音楽監督を務めるチョン・ミョンフン、ピアノ独奏はアリス=紗良・オットで、曲目はラヴェルのピアノ協奏曲ト長調を挟んで、ベルリオーズの序曲「ローマの謝肉祭」と幻想交響曲というプログラム。何もフランスのオケだからといって、絶対フランスものをやらなければいけないわけではないと思うのだが。
3曲中では、オットがその卓越した技巧によって、明晰にして洒脱なラヴェルの音楽を十二分に表現した協奏曲が最も良かった。序曲と交響曲もこの指揮者らしくオーソドックスで重厚な音楽づくりに好感が持てた。
オケはかなりの水準に達しているが、フォルティシモで音が飽和してしまったのが残念だった。特筆すべきは木管のうまさで、さすがはフランスのオケだ。各奏者の技術の高さはもとより、フルートからファゴットまで同じ楽器で奏でているのではないかと思えるぐらい、各楽器の音色に共通する「核」のようなものが感じられるのだ。3曲とも聞かせどころのあるコール・アングレの独特の音色が印象に残った。
アンコールは多分ラコッツィ行進曲と勝手に予想していたが、何とカルメン前奏曲が始まったので椅子からずり落ちそうになった(笑)。後で調べたら、東京公演のプログラムに入っていたので練習済みというわけだったのだ。
それにしても、残響が消えるのを待たず、我先に「ブラヴォー」と叫ぶマナー知らずの客がいまだに多いのは嘆かわしい。一度でも海外ライブ録音のCDを聴けば分かると思うのだが。
9月28日 ジョグ4キロ
9月29日 LSD30キロ
9月30日 休養
月間走行 344キロ
10月1日 ジョグ10キロ
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