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2013/10/11

伊勢本街道を走る 第3日

10月7日から9日にかけて榛原以降の行程を完踏した。第3日目となる7日は榛原から上多気(かみたげ)までの約43キロ、そのうち走ったのは約23キロである。

前回終点の近鉄榛原駅前を7日午前7時に出発。台風接近で時折小雨が降る空模様である。この先、街道沿いには食堂もコンビニも全くないので、駅前のコンビニでおにぎりとパンを買っておく。

スタートして間もなく、船尾垣内というところに奈良県内最古、全国でも5番目に古いという道標が置かれている。残念ながら文字はもうほとんど消失しているが、「右いせみち 寛文四年」とあるそうである。長年の風雪に耐えて旅人に道を案内してきた石碑が愛しく感じられる。街道ランを始めたばかりというのに、すっかり道標フェチになってしまった自分である。(笑)

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国道から一旦旧道に入ってしばらくすると高井という宿場町に入る。更に赤埴(あかばね)、諸木野(もろきの)の集落を抜けると、最初の峠である石割峠に差し掛かる。所々岩盤が露出したようなゴツゴツした峠道で、早くも GEL-Fuji の威力を感じる。

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峠を下り始めたところの分岐は大変分かりにくいと地図に書いてあったが、注意して下りていくと簡単に分かった。それよりも峠を下りた先、上田口の専明寺の境内に入る分岐は標識もなく、その先の血原橋まで行ってしまい、民家の女性に道を尋ねる破目になった。

一旦広い県道に出るがすぐに山側に分岐、黒岩集落を通って2番目の峠、山粕峠に入っていく。峠を下りたところが山粕西口で時刻はちょうど10時。早くも腹が減ってきたので、バス停横の売店でお茶を買い、おにぎり1個を補給する。

次の鞍取峠は、昔から「お伊勢まいりしてこわいとこどこか、飼坂、櫃坂、鞍取坂、つるの渡しか宮川か」という俗謡があるぐらいの難所だそうだ。案の定と言うべきか、その入口で迷ってしまった。

地図には公衆トイレのあるバス停「山粕東口」の裏から上がるとあるが、バス停はトイレと200mほど離れた場所にあり、どちらも裏に旧道があるように見えなかったのだ。偶然自転車で通りがかった女性に尋ねて分かったのだが、伊勢本街道はトイレの裏から最初車道と平行するように通じていて、下の車道からは見えづらかったのだ。

おまけに、峠に入ってすぐの右折の標識を見落として直進してしまい、倒木だらけの谷間に入り込んで身動きが取れなくなってしまった。すぐに引き返して事なきを得たものの、一瞬パニック状態になってしまい、本当に「こわいとこ」だと実感した。

峠を下りた先は御杖村。「みつえ」とは倭姫命が杖を置いた場所ということで、伊勢神宮ゆかりの地なのである。堂前の三叉路にある道標は、「右はせ」「左いせ」と単純明快。小さくて愛らしいが、相当の年代物らしい味わいがある。

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村役場のある菅野地区には四社神社があり、倭姫がそこの井戸で手を洗って口をゆすいで禊をしたら気分が清々しくなったというのが、「すがの」という地名の由来らしい。ホンマかいな。(笑)

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菅野を出る頃に正午となり、残りの行程から大体時間が読めてきた。あまり早くに宿舎に到着せず、また翌日に足を残しておくため、午後は歩きを多く入れることにする。牛峠を越えて神末(こうずえ)という集落に入る。この地名もまた「杖」に由来するそうだ。佐田峠という小さな起伏を越えて敷津という集落に入ると、鄙びた街道の雰囲気が増してきた。

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敷津集落の外れにある丸山公園で休憩し、おにぎり1個を補給する。その先は岩坂峠の下りになっていて、途中に姫石明神というのがある。倭姫が女性病の全快を祈願した場所だという。

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峠を下りるといよいよ三重県に入る。県境が奈良側から三重側に出臍のように張り出した部分に当たる。三重県でも最も山深い土地ということになるが、それだけに昔の街道の雰囲気がよく残っている。伊勢本街道による町おこしも行われており、民家の軒先に参宮装束の菅笠が掛けられていたりする。

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間もなく次の宿場、奥津(おきつ)に到着。松阪からここまでJR名松線が通じているが、数年前の台風被害で、途中の家城(いえき)から奥津まで運休中で、バス代行運転をしている。誰もいない駅の待合室でコーヒーとパンで休憩したが、ホームと線路には雑草が茂り、まるで廃線のような寂しさが漂う。

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奥津を抜けると、いよいよ本日最後の飼坂峠に差し掛かる。ここも「こわいとこ」のひとつで、途中には首切地蔵、腰切地蔵などという、ちょっと物騒なものがある。単に坂が急なだけでなく、山賊も出没するような「こわいとこ」だったようだ。

峠を登りながらつくづく思った。往時はこんな急な峠道を「おかげ参り」の老若男女が越えていったわけで、昔の人はよほど足腰が丈夫だったに違いない。庶民にとって交通機関は徒歩しかなかったわけで、旅行とは普段から習慣化された「歩き」の延長に過ぎなかったのだ。

今では大変寂しいところだが、往時は峠の頂上に茶屋があったそうである。その跡の近くに展望台が設けられていて、これから入る上多気の集落から次の櫃坂に向かう道路が望める。伊勢はまだ「山の彼方の空遠く」である。

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峠から下りて、まだ少し時間が早かったので北畠庭園に立ち寄り、美しい枯山水の庭を眺めながら旅の疲れを癒し、17時前に農家民宿「なかや」に到着。今まで街道で見てきた古い民家のひとつに実際に泊まるというのは貴重な体験だった。

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10月6日     休養
10月7日     LSD23キロ
10月8日     LSD28キロ
10月9~10日 休養
10月11日    ジョグ10キロ

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