『トイレット』
荻上直子監督作品4本目。公式サイトの紹介文。
ロボット型プラモデルオタクの青年レイは、誰とも深く関わらないことを信条に生きてきた。ところが母の葬儀の直後、ひとり暮らしのアパートから、やむなく実家に舞い戻るはめに。そこには、引きこもりのピアニストの兄・モーリーと、ちょっと勝気な大学生の妹・リサ、そして……“ばーちゃん”が暮らしていた。ばーちゃんは、ママが亡くなる直前に日本から呼びよせた母親、つまり3兄弟の祖母だ。英語がまったく喋れないばーちゃんは自室にこもりきりで、トイレから出てくるたびに深いため息をつく。日に日にレイの淡々とした日常は破られてしまうが、バラバラに生きてきた兄弟は、しだいに、ばーちゃんの無言の支えによって外の世界に一歩踏み出ていく。そして、4人はお互いの個性を受け入れながら家族としての絆を深めていくことになる…。(引用終わり)
『かもめ食堂』はオール・フィンランドロケだったが、本作はカナダのトロントで撮影された。荻上作品常連のもたいまさこ(ばーちゃん)以外の俳優は現地でオーディションしたそうだ。6月のカナダ旅行でトロントを訪れた際、撮影に適したロケーションが多そうだということは感じたが、そういうハード面だけでなく、俳優や制作スタッフ等のソフト面でも恵まれているのだろう。
ばーちゃんの僅か2つのセリフも含めて全篇英語(日本語字幕)で、米国留学を経験した荻上監督は、いつかは北米で映画を撮りたいと願っていたそうである。北米で一般公開されたことはまだないようだが、彼の地でのリアクションを知りたいような気もする。
トイレットに象徴される文化の違い、言葉や生活習慣の違いを超えて再構築され、深まっていく家族の絆を描いているが、ほのぼのとしたユーモアや美味しそうな食べものを散りばめ、温かいタッチの作品に仕上がっている。
ちなみに、妹リサがハマるエアギターの世界大会がフィンランドで行われることになっていて、その話は『かもめ食堂』にも出ていた。こういう細かい仕掛けもなかなか面白い。
8月20~22日 ジョグ10キロ
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