『めがね』
南の島の小さな街。プロペラ機でこの地に降り立ったタエコはハマダという宿泊施設にやってきた。宿の主人はユージ。ほか高校教師のハルナや海辺でかき氷屋を開くサクラが、この宿に出入りしている。タエコは観光をしようと名所を聞くが「ここは観光する場所はない。たそがれるだけです」と説明される。
独特の空気が流れ、やさしいような、なれなれしいような不思議な人々にとまどうタエコは宿を変える決意をするが、新しい宿泊施設はとんでもないところだった…。やがてタエコを「先生」と呼ぶ青年が、ハマダを訪れる…。
『かもめ食堂』の荻上直子監督が、再び小林聡美主演で描くヒューマンドラマ。『かもめ食堂』同様に、ゆっくりと心地よく気持ちいい時間が流れていく、やさしくておかしな映画だ。海、空、緑、土が美しく映し出され、その楽園のような島で人生を徐々にリフレッシュしていくタエコの心の変化を追ってゆく。
何も起こらないけれど、タエコとともに、見る者の心も解き放っていく演出がうまい。『かもめ食堂』同様に、ハマダの料理もいわゆる家庭料理でおいしそう。こんな島があったら、休みごとに行ってみたいと思わせる、心をやさしく包み込むようなファンタジーだ。共演はもたいまさこ、光石研、市川実日子、加瀬亮など。(引用終わり)
長々と引用したが、ほぼその通りの映画だ(笑)。「これがテーマだ」と観る者に押し付けるような作品ではないけれども、最後の方で青年ヨモギ(加瀬亮)が朗読するドイツ語の詩の最初と最後に出てくる言葉が手がかりになる。なぜか「字幕オン」の設定にしないと映らないが。
Mir ist bewußt, was Freiheit bedeutet.
何が自由か知っている。
ああ、南の島でひねもす波を見ながら、うまいかき氷を食べ、ビールを飲んでいたい。そういうのはもう「たそがれ」ていると人に言われても構わない。
バブルの初め頃だったか、「路地裏の経済学」で有名だった某エコノミストが、「日本人が1日中海を見て過ごすようになったらおしまいだ」みたいなことを言っていて、当時は本当にその通りだと思ったものだが、時代は変わり、自分も変わったのである。
ところで、主人公が一旦ハマダを去って向かったもう1軒のホテル「マリンパレス」の女主人が薬師丸ひろ子だった。思わず、「あれ鈴鹿さん、こんなところで何すてんだべ?」とツッコミを入れてしまった。(爆)
8月16日 ジョグ10キロ
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コメント
今頃ですが。(笑)
これを拝見してから図書館に予約を入れて、昨夜やっと観ました。(^^;
感想は・・・うーん、特にはなし?
小林さんが珍しい髪型で新鮮でした。
かき氷はどんな味なんでしょうね。
私的には「かもめ食堂」の方が好きです。
投稿: くー | 2014/11/06 19:12
くーさん
人生をリタイアした人間とは
感じ方がかなり違うでしょうね。(笑)
薬師丸ひろ子の経営するホテルの
共同農作業の風景とか、何でもない
シーンが今でも記憶に残っています。
投稿: まこてぃん | 2014/11/07 08:32