『献心』
堂場瞬一の「警視庁失踪課・高城賢吾」シリーズ最終作。版元紹介文。
綾奈の死の真相を知る―決意した高城に長野が目撃者情報を持ち込む。十数年を経て得られた新しい証言。しかし会社員だというその男は一転証言を曖昧にした上で、弁護士を通じて抗議をしてくる強硬さだった。不可解な態度を不審に思いつつ、地道に当時の状況を洗い直す高城は、綾奈の同級生母子を追って一路東北へ向かう。(引用終わり)
このシリーズは多少の出来不出来はあったものの、おおむね毎回楽しんで読めたが、最終作がもっともガッカリさせられるとは思わなかった。
肝心の綾奈の死の真相はあっけないというより、ほとんど不条理の世界だ。高城にとってはまだしも救われる死因だったのかもしれないが、これだけ長々と引張ってきてようやく判明したのがこれか、という脱力感は否めない。
ただ、そこに至るまでの長い道のり、細い一筋を丹念に追った捜査過程はさすがに読ませる。「追跡捜査係」の西川&沖田コンビ、「アナザーフェイス」の大友も登場するキャスティングも、ファンサービスとしては申し分ない。
しかし…。
本作の最後は、新たな失踪事件が出来し、高城が呼ばれるところで終わっている。続篇に期待することとしよう。
8月8、9日 ジョグ10キロ
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