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2013/06/12

カナダ旅行記 ケベックその1

6月3日、伊丹から成田、トロントと乗り継いでケベックに到着したのが同じ日の19時半過ぎだった。緯度の高い当地ではこの季節は22時頃まで明るく、この時間帯は夕方というよりまだ昼間という感じである。

英語と仏語が公用語のカナダだが、東部ケベック州は住民のほとんどがフランス系で、仏語が州の公用語である。エアカナダの機内アナウンスも成田-トロント便が英語、仏語の順であったのが、トロント-ケベック便では仏語、英語の順となった。空港からタクシーで市内に向かったが、道路標識は全て仏語のみであり、レンタカーにしていたら完全に迷子になるところだった。

ただし、運転手は流暢な英語も話す。その他ホテル、レストランでも100%英語が通じた。仏語が州の公用語ではあるけれども、観光は当地の主要産業であり、手軽に異国気分を味わいにやってくる隣国アメリカからの観光客はいいお得意さんだからだろう。

それでも英語を表だって使わないのは、もともとフランス人が植民地を作ったところに、後からイギリス人がやってきて戦争になり、勝ったイギリスが施政権を握ったものの、人口の9割を占めるフランス系住民の文化や伝統まで支配することは出来なかったからだ。

このことは、ケベック州の車のナンバープレートに Je me Souviens (私は忘れない)と書かれてあることにも窺えるし、ご覧のような市内某所の落書きにも表れている。「壁の中の他と同じレンガの一つになるな」という英語を×印で消した横に、仏語が書き添えられている。おそらく、「ケベックではフランス語を使え」というような意味だろう(仏語検定2級の某氏に翻訳をお願いしよう・笑)。

Graffito_2

このような事情をある程度分かった上で、初日の夕食(というより夜食)に入ったのは Pub Saint-Alexandre  という英国式のパブだ。ガイドブックによれば市民の投票でベストパブに選ばれたこともあるとのことで、因縁浅からぬ英国の文化を受け入れる包容力を、ここの住民は持っているようだ。曜日によってはジャズやブルースのライブ演奏もある賑やかな店内で、ケベックの地ビールにフィッシュアンドチップス、ピザを頼んでまったりと過ごした。

Img_5352_2

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コメント

呼ばれて飛び出てジャジャジャジャーン!(笑)

「ケベックではフランス語で生活しているだけだ!」という意味です。けど、英語の文を受けてるには不自然なので、ググったら他の人のブログが見つかりました。それにしても大聖堂に落書きとは罰当たりですね。

http://blogs.yahoo.co.jp/lngdchat/10747393.html
http://alibbymg.wordpress.com/mecca-glen-life/

投稿: わんわん! | 2013/06/12 21:07

わんわん!さん
お呼び立てして済みません。
元がピンク・フロイドとは知りませんでした。
仏語で書いた人間は、英文の内容とは関係なく、
英語自体に反発したと考えるべきでしょうね。
ケベックで唯一見かけたこのグラフィティが
なぜすぐ消されないのかも興味深いところです。

投稿: まこてぃん | 2013/06/13 09:00

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