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2012/07/29

畝傍高校、健闘す。

夏の高校野球奈良県大会は今日決勝戦が行われ、甲子園の常連天理が、31年ぶりに決勝に臨んだ畝傍を13対6で下し、2年ぶり26回目の優勝を飾った。

結果からすると大方の予想どおり天理の大勝に終わったわけだが、初回の8点がなければ2回以降は5対6の競った試合で畝傍が勝っていた。もちろん、野球に「タラレバ」は禁句であるのは承知している。そういうことではなくて、序盤の大量失点にもかかわらず、畝傍が自分たちの野球を伸び伸びとやっていたのに驚いたのである。

普通、これだけ失点すると我を失い、まずは1点を返さないとなどと小技に走り、ますます追い詰められていくものだが、彼らは初回の失点などまるでなかったように、ファーストストライクから思い切り振っていくスタイルを変えようとしなかったのである。

それに対し、天理は大量リードの余裕もあったろうが、3回以降は無得点に終わり、気が付くとそのリードが半分に減っていた。もっと早い回から反撃されていたら、どうなっていたか分からない。

畝傍の百合監督の人懐こそうな笑顔も良かった。大舞台に立っても、ピンチになっても、自分のスタイルを貫く。とてもいいことを教えてもらったような気がする。

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2012/07/21

『BOSS』

51rjoldnbcl__sl500_aa300__2堂場瞬一の野球ものは久しぶり。アマゾンの紹介文。

ニューヨーク・メッツのGM(ゼネラル・マネージャー)に就任した高岡脩二。「野球はいかに効率よく点を取り、失点を少なくするか」----データ重視の彼は、投手力、出塁率に着目しチームの主砲すら放出し、理想のチームを編成してシーズンに挑む。かつて高岡を育てた球界の重鎮アーノルド・ウィーバーもアトランタ・ブレーブスのGMとして現場に復帰する。はやくもメディアは師弟対決と盛り上がるが……。グラウンドに立たないGMという立場で組織(チーム)を率いる二人のかけひき。選手、監督との確執。さらにはチームのオーナーとの関係。リーダーとして人を動かし、活かし、導くこと、そして「勝負事に勝つ」ことの真の意味をスポーツ小説の俊英が描く会心の一冊。(引用終わり)

日本球界でのGMはそれほど注目される存在ではない。元監督が現場に口出しして煙たがられるだけ、みたいな中途半端なポジションだ。それに対しアメリカのMLBでは、遥かに大きな権限をもったGMが、中長期的なチーム戦略の立案から、それに沿った選手の獲得、育成、首脳陣の人事に至るまでの実務をこなし、そのすべての責任を負っている。

MLBの日本人GMというのはまだ想像の域を出ないが、これだけ日本人メジャーリーガーが増えてくれば、近い将来には日本人監督とかも出てくるかもしれない。

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2012/07/14

『沈黙の町で』

奥田英朗の最新作。読み通すのに1年以上かかった。著者初の新聞連載小説だったからだ(笑)。アサヒドットコムの紹介文。

小さな町で起きた1人の中学生の死をめぐり、町にひろがる波紋を描く。被害者や加害者とされた子の家族、学校、警察などさまざまな視点から描き出される群像小説で、地方都市の精神風土に迫る。(引用終わり)

著者お得意の群像劇で、様々な関係者の心理を丹念に抉り出すことで、小さな町で起きた事件が広げる波紋を、重層的立体的に浮かび上がらせる筆力は見事である。中学生の死の直後から始まった物語が、最終回で事件発生の瞬間に立ち戻り、その真相が明かされる構成も素晴らしい。

ところで、この後の新連載は筒井康隆の「聖痕」である。久々の長篇が楽しみだ。

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2012/07/07

ド根性桐その後

先日の記事で書いたド根性桐は、その後どんどん成長して、遂に店の軒下にまで達するほどになった。葉も新聞紙1面ほどありそうだ。

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予期せざる花壇の闖入者を伐採せずにおいた店主も、ここまで成長するとは思わなかったに違いない。

この近くにあって刈り取られたはずの桐もいつの間にか復活していた。恐るべき生命力である。

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