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2012/03/16

『ヒート』

9784408535982_3堂場瞬一のスポーツものは久々。アマゾンの紹介文。

日本男子マラソンの長期低迷傾向に歯止めをかけるため新設された「東海道マラソン」。神奈川県知事の指令のもと、あらゆるお膳立てがなされたレースは終盤、思いがけない展開を見せる――困難と矛盾をはらんだ「世界最高記録」をめぐる男たちの人間ドラマと、疾走感100%のレース展開を圧倒的な筆力で描ききる、著者渾身の書き下ろし長編!箱根駅伝を描いたベストセラー『チーム』のその後を描いた、傑作陸上小説。(引用お終わり)

著者がカシミール3Dを使って作った理想的な高速コース「東海道マラソン」。そこを舞台に、対照的な2人のランナーが世界最高記録を目指して死闘を繰り広げる。

結末はちょっと肩透かしを食ったような印象だが、これはこれでいいのかもしれない。ただし、元陸連登記ランナーとして気になった箇所が2つ。

「四十二・一九五キロ、マイナス四十二メートルに合わせたい」(113頁)とあるが、これは明らかに誤りである。42メートルまで長いコースは許されるが、1メートルでも短いものは公認されない。42メートルも短いコースで仮に世界最高記録が出たとしても公認されることはない。まあその辺りは大目に見ながら読み進んだが。(苦笑)

もうひとつ。ハーフ通過地点の記録は公認されないという記述(343頁)があるが、たとえフルマラソンの中間点であれ、所定の条件を満たしていれば公認されるはずである。現に、同じ横浜で行われた国際女子マラソンの要項にそう書いてある。

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