『大黒屋光太夫』上
この作家で最初に読んだ『漂流』を更にスケールアップしたような大作。漂着した先が異国ロシアの離島で、容易には帰国が望めない境遇に陥った光太夫たちの壮絶な闘いが始まる。
かれらの帰国に向けて骨折りを惜しまないロシア人の温情あふれる行動は、明治以降は対立と反感に彩られた日露関係から見れば意外としか思えないが、そこに吉村氏の訴えたかったテーマがあるのかもしれない。
村上豊氏によるカバー装画が、とても印象的である。
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この作家で最初に読んだ『漂流』を更にスケールアップしたような大作。漂着した先が異国ロシアの離島で、容易には帰国が望めない境遇に陥った光太夫たちの壮絶な闘いが始まる。
かれらの帰国に向けて骨折りを惜しまないロシア人の温情あふれる行動は、明治以降は対立と反感に彩られた日露関係から見れば意外としか思えないが、そこに吉村氏の訴えたかったテーマがあるのかもしれない。
村上豊氏によるカバー装画が、とても印象的である。
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コメント
最近、吉村ネタしかコメントしておりませんが、ほぼ毎日読んでおります。
いよいよ「漂流三部作」の2作目登場ですね。
まだ上巻ということですので、全体ネタは書きませんが、上巻の最初のページに地図がありますよね。
これを見るだけで、いかに壮大な話だったのかがわかると思います。実は2日前に改めて読んでいました。
中学時代、社会科の授業で、江戸末期に米露が通商を求めにきたという話に、どうして鎖国状態なのに、言葉が通じたのだろう??と純粋に疑問に思っていました。先生もよくわからなかった(オイオイ!!)。
私はこの書を読み、ロシア人への観が変わりました(^^;。
投稿: frun 高橋 | 2011/11/03 08:38
frun 高橋さん
いよいよ根室に上陸しました。
うちのトイレに世界地図が貼ってあって
入るたびにその行程を確認しています。(笑)
対ロシア人観の件は全く同感です。
投稿: まこてぃん | 2011/11/03 18:40
あぁ、もう大詰めですね。
私はこの書を読んで、ロシアが北方領土を返さないのは戦略的価値というよりも、ここが彼らにとっては、まだ暖かいからではないか..と思ったりします(^^;。
ところで、以下のコンサートはチェックされましたか?
http://kyodaioke.com/concertInfo.html
あの20年前以上の名演、再びか?
私は、あの時、実演に接しました(サントリー)。あれ以降、体験していませんが..。
投稿: frun 高橋 | 2011/11/04 07:24
frun 高橋さん
ついに江戸に着きました。
マーラーの第九、既に後輩たちから
招待状が届いています。
25年前と同じ井上道義氏の指揮、
会場も同じサントリーHですね。
前にもお話ししたかもしれませんが、
当時は東京勤務中で、招待状を持って
会場まで行ったものの全席売り切れで、
立ったまま全曲聞き通したのが思い出です。
投稿: まこてぃん | 2011/11/04 23:09