『大黒屋光太夫』下
上巻の時にも書いたが、女帝エカテリナをはじめとするロシア人たちの示した温情に、今の感覚からすれば意外感を覚えたながらも、漂流から帰国に至る光太夫たちの長く苦難に満ちた過程には圧倒された。
光太夫は帰国後江戸に住居を限定されていたが、許しを得て一時帰郷した際、夢にまで見た白子浦を眺めながら肩をふるわせて泣く。厖大な歴史資料の集積から、生きた人間ドラマを立ち上がらせる、吉村文学の真骨頂である。
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光太夫は帰国後江戸に住居を限定されていたが、許しを得て一時帰郷した際、夢にまで見た白子浦を眺めながら肩をふるわせて泣く。厖大な歴史資料の集積から、生きた人間ドラマを立ち上がらせる、吉村文学の真骨頂である。
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