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2011/07/26

『遠い幻影』

41qnbmcq03l__sl500_aa300__2吉村昭の短篇集。版元紹介文。

長篇歴史小説の第一人者である吉村昭さんは大の短篇小説好きでもあります。その吉村さんが、ここ数年にわたって書き綴った短篇を集め、久々の作品集が刊行されます。十二の短篇のテーマは、戦後五十年経ってから気づく戦時下の家族の秘密であったり、市井の人どうしがすれ違うはっとするような瞬間の物語であったりします。吉村さん独特の冷静な語り口で、思わずうまい、とうなる佳品揃いです。(引用終わり)

7月25日 ジョグ10キロ
7月26日 休養

解説には「短篇小説好き」とあるが、実のところ吉村氏の短篇はそれほど多くないと思う。著者自身「あとがき」の中で、「竹の節のように、一定の時間の間隔をあけて短篇小説を書く」と述べている。

12の短篇は、どこまでが氏の実体験で、どこからが創作なのか、判然としないものが多い。ストーリーも、「起承転結」で言えば、「転」はあっても「結」がないままに終わっている。最後の2篇はもはや小説ではなく、「私」の眼で叙述された純然たるエッセイである。

それにもかかわらず、どの作品も読み終えた後の余韻というか、「世の中そんなこともあるよね」という切実なリアリティを読後感に残すところが、吉村氏の真骨頂なのであろう。

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