『朽ちた樹々の枝の下で』
引き続き、真保裕一。2段組み366頁の長篇である。アマゾンの紹介文。
妻を事故で失い、札幌を離れ、上富良野の森林作業員となった尾高健夫。悪夢から一年後の夏。彼は夜も明けきらぬ森でひとりの女性を救う。それが発端だった―。翌日から彼の周囲で立て続けに起こる不可解な事件。そして、妨害。尾高は真相を求めて、独自に調査を開始するが…。北海道の森林に蠢く謀略に立ち向かう孤独な男の姿を見事に謳いあげた感動のサスペンス大作。(引用終わり)
7月17日 ジョグ10キロ
7月18日 LSD36キロ
『ホワイトアウト』に続いて1996年3月に刊行された。前作ではテロの標的となった山奥の水力発電所の発電所員が大活躍したが、本作では都会から移り住んだ森林作業員が、森で出会った不思議な女性を追ううちに自衛隊内部の不祥事を巡るトラブルに巻き込まれ、最後はアクション映画さながらの逃走劇を繰り広げる。
主人公が事件の真相に辿り着くまでにはいくつもの曲折があるが、真相解明だけで終わらせていない結末は、単なる「サスペンス大作」の枠にとどまらない余韻を残している。
森林組合や自衛隊など多くの登場人物がやや類型的に描かれているのは残念だが、「ヤブ医者」栗原だけは大変魅力的なキャラクターになっている。井戸で冷やした缶ビールを主人公と酌み交わす場面が出てくるが、とっても美味そうだ。(笑)
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