『震源』
真保裕一著。四六判二段組394頁の長篇作品で、読み終えるのに3週間を要した。版元紹介文。
地震計に浮かびあがった謀略の波形とは!
津波発生、データ消失と同僚の失踪の陰で密かに進行するのは何か。気象庁地震火山研究官・江坂が巻き込まれる国家的陰謀!
最初は九州各地を襲った不意打ちの津波だった。福岡管区気象台地震津波火山監視センターでは、人為的ミスによる失態で、津波予報が間に合わないという不祥事が発生した。その渦中にいた江坂は、やがて気象研究所へ異動となり、観測調査のため再び九州の地を訪れる。そこで彼を待ち受けていたものは……。突然の観測延期、同僚の失踪。そして地震データの消失……。水面下で密かに蠢く国家的陰謀。震源を巡る驚愕の真相とは?(引用終わり)
6月11日 ジョグ10キロ
6月12日 ジョグ10キロ
以前読んだ『ホワイトアウト』の発電所員と同様、地味な存在の気象庁職員が国家を揺るがしかねない大事件に巻き込まれていくという設定。前半、いや3分の2ぐらいまで伏線の仕掛けに費やされていて、作者に付き合わされている感じが強かったが、最後になってストーリーが急展開し始めてからは息を継がせない。
もう一度初めから読み直せば、全ての伏線を味わえるのだろうが、正直これだけの長篇を再読する気力は湧かない。その辺り、ちょっともったいない作品に思える。前に読んだ短篇集では短すぎ、かと言ってこれぐらい長くなると持て余す。その作家にちょうどいいぐらいの長さ、というのがあるのかもしれない。
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