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2011/02/10

『灰色の虹』

303872貫井徳郎の新刊。四六判551頁の大作である。版元紹介文。

身に覚えのない殺人の罪で、職場も家族も日常も失った男は、復讐を決意した。刑事、検事、弁護士――。七年前、無自覚に冤罪を作り出した者たちが次々に殺されていく。だが男の行方は杳として知れず、宙に消えたかのように犯行現場から逃れる。彼が求めたものは何か。次の標的は誰か。あまりに悲しく予想外の結末とは。(引用終わり)

2月 9日 ジョグ10キロ
2月10日 休養

冤罪。普通の市民生活を送っている人間には縁遠い言葉のように思うけれども、本書の主人公のように、不幸な偶然の一致が重なった結果として、殺人犯の濡れ衣を着せられることもあるのかもしれないと思わせる。その恐ろしさを実感させる筆力には感心させられた。

しかし、主人公が出所してからの復讐劇は、その結末の真相が途中で読めてしまったこともあり、今ひとつ心に訴える力が弱かった。弁護士、検事、裁判官といった法曹関係者のキャラクターも、かなりステレオタイプな感じだった。

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