『龍神の雨』
これまで読んだ道尾作品同様、主人公は子供たちで、また『シャドウ』と同様、2組の家族をめぐる悲劇がテーマとなっている。今回は共に血の繋がらない継父または継母のみを親にもつ2組のきょうだいがひとつの悲劇に巻き込まれていく。
半ば過ぎで犯人が明らかにされ、終盤のどんでん返しもないので、これまで読んだ他の作品に比べればオーソドックスな感じを与える。随所に張り巡らせた伏線が全て生きてくるところは相変わらずで、注意深い読者なら早い段階で犯人が分かるだろう。
しかし、1点だけおかしな点がある。フォトスタンドの写真とTVニュースの関係とだけ書いておこう。「大学ノートの縦線」を思い出した人物が、そこに気づかないはずがないのである。
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