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2010/10/10

『龍神の雨』

300333_3道尾秀介も6冊目になった。昨年5月刊の比較的最近の作品である。版元紹介文。

すべては雨のせいだった。雨がすべてを狂わせた。血のつながらない親と暮らす二組の兄弟は、それぞれに悩みを抱え、死の疑惑と戦っていた。些細な勘違いと思い込みが、新たな悪意を引き寄せ、二組の兄弟を交錯させる。両親の死の真実はどこに? すべての疑念と罪を呑み込んで、いま未曾有の台風が訪れる。慟哭と贖罪の最新長編。(引用終わり)

10月 9日 ジョグ10キロ
10月10日 LSD36キロ

これまで読んだ道尾作品同様、主人公は子供たちで、また『シャドウ』と同様、2組の家族をめぐる悲劇がテーマとなっている。今回は共に血の繋がらない継父または継母のみを親にもつ2組のきょうだいがひとつの悲劇に巻き込まれていく。

半ば過ぎで犯人が明らかにされ、終盤のどんでん返しもないので、これまで読んだ他の作品に比べればオーソドックスな感じを与える。随所に張り巡らせた伏線が全て生きてくるところは相変わらずで、注意深い読者なら早い段階で犯人が分かるだろう。

しかし、1点だけおかしな点がある。フォトスタンドの写真とTVニュースの関係とだけ書いておこう。「大学ノートの縦線」を思い出した人物が、そこに気づかないはずがないのである。

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