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2010/09/11

『張込み』

110906_3松本清張は久しぶり。「せいちょう」でちゃんと変換されるところは、さすがに大物作家だ(笑)。版元紹介文。

殺人犯を張込み中の刑事の眼に映った平凡な主婦の秘められた過去と、刑事の主婦に対する思いやりを描いて、著者の推理小説の出発点と目される「張込み」。判決が確定した者に対しては、後に不利な事実が出ても裁判のやり直しはしない“一事不再理”という刑法の条文にヒントを得た「一年半待て」。ほかに「声」「鬼畜」「カルネアデスの舟板」など、全8編を収録する。(引用終わり)

9月10日 休養
9月11日 ジョグ10キロ

ちょっと前にNHKのラジオ文芸館で「一年半待て」が紹介されていて、その見事なストーリー展開に感心させられたので、珍しく文庫本を購入して読んでみた。

8篇中ではやはりこの「一年半待て」がベスト。さらに「声」と「地方紙を買う女」が、本格的な推理ものとして傑作の部類に入ると思う。ただ、設定の不自然さが気になる作品もあり、「投影」のトリックには思わず、「そこは間違えへんやろ」とツッコミを入れてしまった。

そういう瑕疵はあるものの、短篇ながら人間の欲望と暗い情念が丹念に描かれていて、さすがに松本清張と唸らせた。

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