『ハッピー・リタイアメント』
JAMSなる組織はマッカーサーの命令で作られたという設定。もはや仕事はほとんどないに等しく、出勤すればその後は昼寝しようが外出しようがお咎めなし。それでいて給料に退職金まで頂けるという、この世のパラダイスみたいなところなのである。もし実際にあったら「事業仕分け」で真っ先に槍玉に挙げられること必定である。(笑)
しかし、樋口と大友がまともに「仕事」をしてみたら、思わぬ大金が舞い込んできて・・・というところから、痛快なフィクションが展開していく。結末はもうひと捻りが欲しかったが、実際にありそうで、またなさそうな、まさに虚実皮膜の間を行くようなストーリーは最後まで飽きさせなかった。
ただ、自衛隊出身の作者だけに大友の現役時代が詳細に記述されているのに対し、樋口の現役時代のことは、たびたび暗示される矢島との確執の中身も含め、漠然としか描かれていないのが残念だった。
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