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2010/05/15

『バイオリニストは肩が凝る-鶴我裕子のN響日記』

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長らくNHK交響楽団の第1ヴァイオリン奏者を勤めた鶴我裕子さんのエッセイ集。アマゾンの紹介文。

著者の鶴我裕子さんはNHK交響楽団の第1ヴァイオリン奏者を長年つとめ、かたわら音楽雑誌や音楽会のパンフレットなどにエッセイを寄稿されてきました。本書はN響の楽団員、また一生活人としての日常を綴ったものですが、その軽妙な文章には楽員としての長い演奏経験からくる音楽への深い理解がおのずと滲み出ています。
「なるほど、オーケストラの舞台裏はこんなふうだったのか」「サヴァリッシュやゲルギエフはこんなふうに音楽をつくっていくのか」などなど、音楽の現場の「そこが知りたい」ことが手にとるように語られているので、音楽ファンには恰好の読み物となっていますが、そればかりでなく、生活人としての日常をユーモラスに語る語り口には人物や社会へのたくまざる批評眼がのぞいており、一般の読者にも十分に楽しんでいただけるエッセイ集となっています。(引用終わり)

5月14日 休養
5月15日 ジョグ10キロ

オケの舞台裏の本はいくつもある。岩城宏之氏の『フィルハーモニーの風景』(岩波新書)は読み物としても一流のものだ。そもそも数十名もの集団が一見真面目くさって小難しい音楽をやっていて、裏話のひとつやふたつないワケがないことは、元オケマンの端くれの私が保証する。(笑)

鶴我さんの文章はまさに軽妙洒脱にして、その中に物事の核心に迫る鋭さがある。口語体交じりで親しみやすいのはいいが、どういう訳か大阪弁が多用されている。山形県出身の著者にとっては一種のギャグ用言語なのだろうか。

大阪と言えば、1箇所明確な誤りがある。大阪公演の帰途、蓬莱の豚まんを買ったというくだりがあり、同じ楽団員K氏から、「この店の社長がモーツァルトの大ファンで、ジュピター交響曲のケッヘル番号551を店の名前にした」と聞かされたという。

しかし、これは明らかに誤解である。長いこと大阪で暮らしているが、そんな話は聞いたことがない。ネットで検索してみたら、いくつかのブログでこの珍説が紹介されていたが、大体この本が出所になっているようだ。

元々はタバコの銘柄「555」をヒントを得て、本店の電話番号551をそのまま使用したもので、それに「ここがいちばん」を引っ掛けたという説明が同社サイトにも載っている。K氏の思い込みなのか、はたまた鶴我さんを担ごうとしたのか分からないが、いくら何でも「アマデウスのブタマン」はないだろう。

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