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2010/04/19

『無理』

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久々の奥田英朗。版元紹介文。

町村合併でできた人口12万人のゆめの市。古くからある商店街はさびれ、国道沿いの「ドリームタウン」が唯一の盛り場だ。この街で暮らす5人――社会福祉事務所で生活保護支給業務に就く相原友則、東京生活を夢見る女子高生の久保史恵、詐欺まがいの商品を売りつけるセールスマンの加藤裕也、スーパーの保安員をくびになり、新興宗教に救いを求める堀部妙子、県議会に打って出る腹積もりの市議会議員・山本順一――が鬱屈を抱えたまま日々を送り、やがて思いがけない事態に陥っていく。奥田ファン待望、『最悪』『邪魔』以来となる渾身の群像劇です!(YB)(引用終わり)

4月18日 休養
4月19日 バイク30分

以前に読んだ『最悪』『邪魔』同様、それまで接点のなかった複数の登場人物が、最後はひとつの出来事に巻き込まれていくという構図の作品。

作中毎日雪が降る東北地方と思しき「ゆめの市」は、3つの旧町名の頭文字をつなげたものだが、「夢」とは程遠い衰退する地方都市の典型のような町である。そこを舞台に繰り広げられる貧困と格差の物語は非常にリアルで、小説というよりもドキュメンタリーのような趣きがある。

紹介文にあるように5人の物語が並行して進行するが、それぞれが破滅への道を辿っていくその先には何が待っているのだろうか、読みながらその結末が想像しにくかった。

読み終えて「そう来たか」と、ちょっと拍子抜けした感じがしたが、よく考えると彼らの破滅はまだこれからなのだと分かって、それは今の地方が置かれている閉塞状況そのものであるように思えた。

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