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2010/04/09

『赤い月、廃駅の上に』

Isbn9784840126540_2有栖川有栖著。この作家の本は初めてである。版元の紹介文。

赤い月の光----。それは邪気を招く不吉な月。鬼月が出た夜は、異界への扉が口をあける…。17歳の引きこもりの青年が、クロスバイクで旅に出た。四日目にある町の廃線跡の駅舎に辿り着き、野宿をする。そこに現れた鉄道忌避伝説を追う30代の鉄ちゃんライターの佐光。空に赤い月が出ているのを見た青年は不気味さを振り払おうとダベり始める。深夜に差しかかるころ、佐光はトイレに行くため駅舎を出る。それを見計らったかのように、赤い月はますますその光を増し…。怪談専門誌『幽』に連載された8編に加え、他誌に発表された2編を加えた初の怪談集、堂々刊行。(引用終わり)

4月9日 休養/完全休肝

著者は1959年大阪府生まれ。同郷の1年後輩である。巻頭第1篇「夢の国行き列車」の「夢の国」とは、TDLでもUSJでもなく千里万博で、その思い出が詰まった佳品にいきなり惹きつけられた

高齢化で三途の川を渡る人が増え、鉄橋を列車で渡る時代になったという「最果ての鉄橋」のユーモアに、桂米朝師匠十八番の大ネタ「地獄八景亡者戯」を連想した。

衝撃的なカバー写真の撮影は丸田祥三氏。宮脇俊三氏の廃線紀行シリーズにも作品が掲載されているが、作風からして60代70代のベテランかと思っていたら、何と1964年生まれの人とは意外だった。

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