『漂泊』
堂場瞬一「警視庁失踪課・高城賢吾」シリーズ最新作。版元紹介文。
ビル火災のバックドラフトに巻き込まれ負傷した明神。鎮火後の現場からは、殺しの痕跡のある身元不明の二遺体が出た。犯人による隠蔽目的の放火だったのか。傷つけられた仲間のため、高城は被害者の身元を洗う決意をする。調査の中で、ひとりは捜索願の出されていた作家ではないかとわかり、事態は思わぬ方向に進んでいく。(引用終わり)
3月18、19日 休養/完全休肝
本シリーズも4作目となり、登場人物たちのキャラクターもすっかり馴染んできた。ただ、馴染みすぎたのか、「相棒」の明神をはじめ室長の阿比留や捜査一課の長野など、前作までは高城と事あるごとに衝突し、あるいは軋轢を生じていた人物たちも、今回は高城の動きと同調しながら、予定調和のごとく事件の真相解明に向けて一直線に進んでいく。
警察内部の対立や権力抗争など、強いて読みたいわけではないが、前作まではそれが物語の進行に適度な陰影を与えていただけに、今回はやや平べったく甘い感じを受けた。
ところで、このシリーズは4月からテレビ朝日系列でドラマ化されるそうだ。主演は沢村一樹。見てみたい気もするけど、毎週毎週お付き合いはできないだろうな。
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