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2010/03/07

『HANA-BI』

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北野武監督作品はかなり前に劇場で観た『ソナチネ』以来。アマゾンの紹介文。

北野武監督98年公開の7作目。不治の病に侵された妻を気にかけながらも職務に追われる刑事が、同情した仲間の好意で張り込み捜査の合間を縫って見舞いにいく。だが、そのわずかな時間に発砲事件が発生、1人が殉職し、快く送り出してくれた部下も半身不随の身になってしまう。犯人を殺して警察を辞めた彼は、治療費や遺族へ渡す金を工面するためヤクザにまで借金を重ね、やがて首が回らない状況へと陥っていく…。 あたかも夢の情景のような暗く青みがかった映像のなか、挿入される監督自作のシュールな絵の色彩が鮮烈である。同様に乾いた暴力シーンに対して、例えば置き忘れられた三輪車を主人公がそっと横にどける、といったささやかな行為の描写も目に焼きつく。北野作品には多い不器用な男の自己表現を、透徹した視線で描いた静かな傑作である。(引用終わり)

3月6日 LSD20キロ
3月7日 ジョグ10キロ

ヴェネチア国際映画祭金獅子賞受賞作。『ソナチネ』と同様に「死」をテーマにした作品。交通事故で一度死にかけた北野武ならではの諦念というか、洞察を感じさせる内容になっている。

印象に残ったのは、不治の病に冒された妻を演じる岸本加世子の天真爛漫さ。何という俳優か分からないが、自動車整備工場のオヤジ役の男気溢れる演技。タイトルの打ち上げ花火のギャグが、最後の2発の銃弾の伏線になっていたこと。

北野自身の絵と久石譲の音楽は、乾いた暴力が連続するこの映画に、ひとときの安らぎを与えている。

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